
はじめに
ソフトテニスで「打球が飛ばない」「コントロールが安定しない」と感じたことはありませんか?
その原因、実はラケットのガット(ストリング)の太さにあるかもしれません。
ガットはボールとの唯一の接点であり、その太さや材質の違いが、打感・スピン・反発力・耐久性などプレー全体に大きな影響を与えます。
同じラケットを使っていても、ガットを変えるだけで「まるで別のラケットに変えたような感覚」になることも珍しくありません。
この記事では、ガットの太さによる性能の違いをわかりやすく解説しながら、
あなたのプレースタイルに合った「最適なガット選び」のポイントを紹介します。
これからガットを張り替える方や、自分に合う打球感を見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。

ガットの太さでプレーが劇的に変わる!
ソフトテニスでは、ガットの太さ(ゲージ)が「打球の飛び方」「コントロール」「打感」「耐久性」に大きな影響を与えます。
細いガットは反発力とスピン性能が高く、太いガットは安定感と耐久性に優れます。
つまり、自分のプレースタイルに合った太さを選ぶことが、勝敗を分ける重要なポイントになるのです。
ガットの太さが“ボールとの接触”を変える
ガットは、ラケットの「心臓部」といわれるほど重要な部分です。
ガットの太さ(ゲージ)は一般的に1.15mm〜1.35mm程度で、太さによって以下のように特性が異なります。
| 太さ(ゲージ) | 特徴 | 主なメリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 1.15〜1.25mm(細め) | 反発力が高い・スピンがかかる | 飛びが良く軽快な打感 | 切れやすくテンション維持が難しい |
| 1.26〜1.35mm(太め) | 安定性・耐久性が高い | コントロールしやすい・球持ちが良い | 飛びが抑えられ、やや重たい打感 |
つまり、細い=スピードとスピン重視、太い=コントロールと安定重視と覚えておきましょう。

ガットの太さ・素材別に見る特徴とおすすめタイプ
① 細いガット(1.20〜1.25mm)
軽快な弾きとスピン性能が特徴です。
・特徴:反発力が強く、ボールの飛びがよい。
・メリット:スピンがかかりやすく、スピードボールを打ちやすい。
・デメリット:耐久性が低く、切れやすい。
▶おすすめ:
- 攻撃的なストロークを打ちたい後衛プレーヤー
- スピード感を重視する上級者
② 太いガット(1.30mm以上)
コントロール性能と耐久性が抜群です。
・特徴:ホールド感が強く、打球が安定する。
・メリット:打ち負けにくく、テンションも長持ち。
・デメリット:飛びが控えめで、やや硬めの打感。
▶おすすめ:
- 正確な配球をしたい前衛プレーヤー
- 練習量が多い中高生プレーヤー

材質による違い:打球感と性能を決めるもう一つの要素
太さだけでなく、「材質(ストリングの素材)」も打球感を大きく左右します。
以下の表に、代表的な素材の特徴をまとめました。
| 材質 | 特徴 | 打球感 | 耐久性 | 向いているプレーヤー |
|---|---|---|---|---|
| ポリエステル(ポリ) | 弾きが強く反発力に優れる | 硬め | 高い | 攻撃型・スピード重視派 |
| ナイロン(マルチフィラメント) | 柔らかくしなやかでコントロール性◎ | 柔らかい | 中程度 | 初心者〜中級者・オールラウンド型 |
| ナチュラルガット | 最高のフィーリングとホールド感 | 非常に柔らかい | 中 | 上級者・フィーリング重視派 |
| ハイブリッド(縦ポリ×横ナイロン) | 反発+ホールドのバランス型 | 中程度 | 高い | 幅広いプレースタイルに対応 |
特にハイブリッド構造は人気が高く、
「縦にポリ」「横にナイロン」を張ることで、
飛びと柔らかさの“いいとこ取り”が可能になります。
メーカー別おすすめガット比較表
| メーカー | 人気モデル | 太さ(mm) | 特徴 | 向いているプレーヤー |
|---|---|---|---|---|
| YONEX(ヨネックス) | サイバーナチュラル シャープ | 1.25 | 弾きの良さとスピン性能 | 攻撃型後衛 |
| GOSEN(ゴーセン) | ゼノブリザード | 1.24×1.29(ハイブリッド) | 爆発的反発力と安定性 | 上級者 |
| MIZUNO(ミズノ) | モノファイバー ソフト | 1.27 | ソフトな打感で扱いやすい | 初心者〜中級者 |
| YONEX | サイバーナチュラル クロスアイ | 1.27 | ホールド感と耐久性のバランス | 前衛・女子プレーヤー |
これらのモデルは、競技者から初心者まで幅広く支持されています。
ガット交換時は「現在より0.05mmの違い」を試すと、打感の変化を実感しやすいです。

ガットの太さとテンションの関係
ガットの太さとテンション(ポンド数)は密接に関係しています。
細いガットはテンション維持が難しく、太いガットはテンションを高めても安定しやすい傾向があります。
| 太さ | 推奨テンション | 特徴 |
|---|---|---|
| 細め(1.20〜1.25mm) | 25〜28ポンド | 飛びやすくスピン重視 |
| 標準(1.26〜1.30mm) | 27〜30ポンド | バランス型 |
| 太め(1.31mm〜) | 29〜32ポンド | コントロール・安定重視 |
テンションを下げれば「飛び・スピン」、上げれば「安定・コントロール」が得られます。
打球感が硬すぎる場合は、1〜2ポンド下げるのがおすすめです。
初心者・中高生におすすめの太さと選び方
初心者や学生プレーヤーには「扱いやすく、耐久性があるガット」が理想です。
- 初心者〜中級者:1.28〜1.30mmのナイロンガット
→やわらかく、ミスをしにくい - 中級〜上級者:1.24〜1.27mmのポリガットまたはハイブリッド
→弾きが良く、スピードあるプレーに対応
また、部活動などで練習量が多い選手は、**耐久性重視(太め)**を選ぶと張り替え頻度を抑えられます。

まとめ:プレースタイルに合わせた「太さ選び」が勝利のカギ
最後に、ガットの太さ・材質別の特徴を再確認しましょう。
| 仕様 | 飛び | ホールド | 耐久性 | コントロール | 打感 |
|---|---|---|---|---|---|
| 細いガット | ◎ | △ | × | ○ | 柔らかい |
| 太いガット | △ | ◎ | ◎ | ◎ | しっかり |
| ポリエステル | ◎ | △ | ◎ | △ | 硬い |
| ナイロン | ○ | ◎ | △ | ◎ | 柔らかい |
| ハイブリッド | ○ | ○ | ○ | ○ | バランス |
プレースタイル別おすすめ:
- スピード・スピン重視:細め×ポリエステル
- 安定・コントロール重視:太め×ナイロン
- バランス型:ハイブリッド構成
ガットは「消耗品」ですが、性能を最大限に発揮するためには**定期的な張り替え(約2ヶ月ごと)**も重要です。
自分のラケットとプレーに最も合うガットを見つけて、理想の打球感を手に入れましょう。
💡ワンポイントアドバイス
- 張り替えの目安は使用時間30時間または2ヶ月。
- 同じテンションでも気温や湿度で打球感が変化するため、季節ごとの調整も◎。
- メーカーごとに素材特性が違うため、YONEXやGOSENなど信頼できるブランドを選びましょう。

