「ロブを上げられると、下がりきれずに空振りする」「チャンスなのにネットにかけてしまう」。前衛にとって、スマッシュは決めたい場面ほどミスが目立つショットです。

結論から言うと、スマッシュの成否は打つ前の準備(下がり方と打点への入り方)で大きく左右されます。この記事では、握り・構え・下がり方・打点・コースの順に打ち方を整理し、ミスの原因別の直し方と、段階別の練習ドリルまでまとめました。

まず結論|スマッシュを決める3つのポイント

ポイントやることよくある失敗
①準備を早くロブが上がった瞬間に横向きになり、ラケットを担ぐ正面を向いたまま、後ろ向きに走る
②打点を前に落下点の少し後ろに入り、頭の斜め前で打つ落下点の真下に入り、打点が頭の後ろになる
③8割の力で強さよりコースと確率を優先する全力で叩きつけて、ネットやアウトになる

スマッシュは「強く打つショット」と思われがちです。しかし、試合で点を取るのは確実にコートへ入るスマッシュです。まずは8割の力で、狙った場所へ入れることを目標にしましょう。

スマッシュとは?前衛の決め球になる理由

スマッシュとは、頭より高いボール(主にロブ)を、上から打ち下ろすショットです。ノーバウンドで打つのが基本ですが、深いロブはワンバウンドさせてから打つこともあります。

前衛にとってスマッシュが大切なのは、相手の作戦に直結するからです。前衛がスマッシュを打てないと、相手は前衛の頭上へロブを上げるだけで、簡単に攻撃をかわせます。逆に、ロブを確実にスマッシュで返せる前衛がいると、相手は前衛の上を狙いにくくなります。その結果、ボレーやポーチも生きてきます。

ボレーの種類やポーチの動き方は別記事で解説しています。この記事では、ロブへの対応とスマッシュの打ち方に絞って説明します。

スマッシュの打ち方|5つのステップ

スマッシュの動作を、5つのステップに分けて見ていきます。

ステップ1|グリップはイースタンが基本

ソフトテニスラケットのグリップを握る手元

スマッシュのグリップは、サーブと同じイースタングリップ(または少し薄めのセミイースタン)が基本として紹介されることが多いです。ラケット面を地面と垂直に立てて、握手するように握る形です。

ボレーで使う厚めの握り(ウエスタン寄り)のまま打つと、ラケット面が下を向きやすく、ネットミスが増えます。とはいえ、ロブが上がってから握り替える時間はあまりありません。前衛の構えの段階から、すぐに握り替えられるよう指を軽く添えておくのがコツです。

ステップ2|構えは「横向き+ラケットを担ぐ」

ロブが上がったと判断したら、すぐに次の2つを行います。

  1. 体を横向きにする(右利きなら、左肩を相手コートに向ける)
  2. ラケットを担ぐ(肩の後ろにラケットを引き、ヒジを肩の高さまで上げる)

同時に、左手(利き手と反対の手)をボールに向けて上げます。左手でボールを指すと、落下点との距離をつかみやすく、体の開きすぎも防げます。

ステップ3|下がり方はサイドステップとクロスステップ

ボールに向かって動き出すソフトテニスプレーヤーの足元

下がり方は、ロブの深さで使い分けます。

下がり方足の動き向いている場面
サイドステップ足を交差させず、横向きのまま細かく下がる浅め〜中くらいのロブ。打点を微調整したいとき
クロスステップ足を交差させながら、大きく後ろへ下がる深いロブ。急いで距離をかせぎたいとき

どちらの場合も、横向きを保ったまま下がることが大切です。正面を向いて後ろ向きに走ると、打つ直前に体を回す必要があり、振り遅れの原因になります。

深いロブでは、クロスステップで素早く下がり、最後の2〜3歩はサイドステップで微調整すると、打点を合わせやすくなります。

ステップ4|打点は「頭の斜め前」

ラケットでソフトテニスボールをとらえる瞬間の手元

打点の目安は、利き手側の肩の上、頭の斜め前です。腕を伸ばした高い位置でとらえましょう。

打点を前にするためには、落下点の真下ではなく、少し後ろに入るのがポイントです。真下に入ると、ボールが頭の後ろに落ちてきて、体が反ったまま打つことになります。こうなると、ボールが上へ飛んでアウトしやすくなります。

ステップ5|振り抜いて、すぐ構え直す

インパクトのあとは、ラケットを利き手と反対側の腰のあたりまで振り抜きます。腕だけで振るのではなく、左手を体に引きつけながら、体をひねり戻す力を使うと、楽にスピードが出ます。

打ったあとは、すぐに前を向いて構え直します。スマッシュが返ってくることも多いので、1本で決めようとしすぎないことも大切です。

下がりながらのスマッシュとジャンピングスマッシュ

試合では、止まって打てるロブばかりではありません。難しい2つの場面を整理します。

下がりながらのスマッシュ

ロブが深く、下がりながら打つしかない場面です。このときは、威力よりも深く返すことを優先します。

  • 後ろ足(右利きなら右足)でしっかり踏ん張り、体が後ろに倒れすぎないようにする
  • 打点が後ろになりやすいので、コースは広い側(クロス方向)を狙う
  • 無理だと感じたら、ワンバウンドさせてから打つ、またはロブで返す判断も必要

「全部ノーバウンドで叩く」と決めつけないことが、ミスを減らす近道です。

ジャンピングスマッシュ

ジャンプして高い打点で打つスマッシュです。ロブに手が届かないときや、角度をつけたいときに使います。

  • 踏み切りは後ろ足(右利きなら右足)。体を横向きにしたまま跳ぶ
  • 空中で足を入れ替えるように着地すると、バランスを崩しにくい
  • 着地後にネットへ近づきすぎないよう注意する

ジャンピングスマッシュは見た目が派手ですが、打点が合わないうちは空振りの原因にもなります。まずは、止まって打つスマッシュが安定してから取り組みましょう。

なお、ラケットや体がネットに触れるとネットタッチで失点になります。ボールが自分の体や服に触れた場合も失点です。ネット近くでスマッシュを打つときは、打ったあとの体の流れにも気をつけましょう。

コースの狙い方とロブの見極め

スマッシュで狙う3つのコース

テニスコートのネットとセンターラインを近くから写した写真
コースねらい注意点
相手前衛の足元反応しにくく、ボレーで返されにくいネットに近いので、角度をつけすぎるとネットにかかる
相手の2人の間(センター)どちらが取るか迷わせる。ミスになりにくい甘くなると後衛に拾われる
空いているサイド相手の陣形が崩れたときに決まりやすいサイドアウトに注意。体勢が悪いときは避ける

迷ったらセンターへ深く打ちましょう。コートの幅を一番広く使えるため、ミスの少ないコースです。

追うロブ・任せるロブの見極め

すべてのロブを前衛が追う必要はありません。目安は次のとおりです。

  • 自分の頭上〜少し後ろまでのロブ:前衛が下がってスマッシュする
  • ベースライン近くまで深いロブ:無理に追わず、後衛に任せる
  • 迷ったとき:ペアと「どちらが取るか」の声かけを決めておく

相手後衛がラケット面を上に向けて、下から振り上げる構えをしたら、ロブの合図です。この瞬間に横向きになれるかどうかで、準備の早さが変わります。

スマッシュのミスの原因と直し方

ミスが出たら、まずはどこに飛んだかで原因を切り分けましょう。

症状主な原因直し方
ネットにかかる打点が低い/前に入りすぎた/握りが厚い落下点の少し後ろに入る。グリップをイースタンに戻す
オーバー(アウト)する打点が頭の後ろ/体が反っている下がる量を増やし、打点を頭の斜め前にする
空振りするボールから目を離している/準備が遅い左手でボールを指し、最後までボールを見る
振り遅れる正面を向いたまま下がっているロブが上がった瞬間に横向き+ラケットを担ぐ
サイドアウトする体が早く開いて、引っかける左手を残して、体の開きを抑える。センターを狙う

特に多いのが、「準備が遅い→打点が後ろ→アウト」の流れです。フォームを直す前に、横向きになるタイミングを早めるだけで、改善することがよくあります。

段階別のスマッシュ練習ドリル

いきなり上げボールを打つより、簡単な練習から順に取り組むと、フォームが固まりやすくなります。回数は目安なので、体力や練習時間に合わせて調整してください。

段階練習内容(例)ねらい
1キャッチ練習上げてもらったボールを、打たずに左手でキャッチ落下点への入り方
2素振り・タオル振り横向き→担ぐ→振り抜くを鏡や動画で確認フォームを固める
3手投げスマッシュ近い距離から手で投げてもらい、10球ずつ打つ打点とインパクト
4前後スマッシュネット前でタッチ→下がってスマッシュを繰り返す下がり方と構え直し
53本スマッシュ浅い・中くらい・深いロブを続けて打つロブの深さへの対応

ひとりで練習するなら、キャッチ練習と素振りがおすすめです。壁の高い位置へボールを投げ、落ちてくるボールを横向きでキャッチするだけでも、準備の動きが身につきます。

スマッシュは肩やヒジに負担がかかるショットです。違和感が出たらすぐに中断し、本数を増やしすぎないようにしましょう。

よくある質問

Q. ソフトテニスのスマッシュとは何ですか?

頭より高いボールを、上から打ち下ろすショットです。主に、相手が前衛の頭上へ上げたロブに対して打ちます。前衛の決め球として、試合の流れを変える力があります。

Q. スマッシュのグリップ(握り方)は何がいいですか?

イースタングリップ(または少し薄めのセミイースタン)が基本です。厚い握りのままだと面が下を向き、ネットミスが増えやすくなります。

Q. スマッシュの下がり方のコツは?

横向きを保ったまま下がることです。浅いロブはサイドステップ、深いロブはクロスステップで下がり、最後はサイドステップで打点を微調整します。

Q. スマッシュには何種類ありますか?

呼び方はチームで異なりますが、止まって打つ基本のスマッシュ、下がりながらのスマッシュ、ジャンピングスマッシュ、ワンバウンドさせて打つスマッシュなどに分けて練習することが多いです。

Q. スマッシュが怖いときはどうすればいいですか?

8割の力でセンターへ深く入れることだけを目標にしましょう。「決めなきゃ」という気持ちがミスにつながります。キャッチ練習で落下点に入る感覚をつかむと、怖さが減っていきます。

まとめ

  • スマッシュの成否は、打つ前の準備で決まる
  • 握りはイースタン、構えは横向き+ラケットを担ぐ
  • 下がり方は、浅いロブはサイドステップ、深いロブはクロスステップ
  • 打点は頭の斜め前。落下点の少し後ろに入る
  • コースに迷ったらセンターへ深く。8割の力で確率を優先する
  • 練習はキャッチ→素振り→手投げ→前後→3本スマッシュの順で

次の練習では、ロブを打たずにキャッチする練習から始めてみてください。落下点に早く入れるようになると、スマッシュの成功率は大きく変わります。

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