「部活でどっちを選べばいい?」「ソフトテニス経験者は硬式でも通用する?」と迷う人は多いはずです。名前もコートも似ていますが、実際にはボールも数え方も打ち方も違います。
結論から言うと、いちばん大きな違いはボールです。ソフトテニスは軽いゴムボール、硬式テニスは約2倍の重さのフェルトボールを使います。この差が、ラケット・打ち方・戦い方の違いにつながっています。この記事では違いを7項目に整理し、どちらを選ぶかの判断軸まで紹介します。
ソフトテニスと硬式テニスの違い早見表

まずは一覧で全体をつかみましょう。数値は国際ソフトテニス連盟(ISTF)と国際テニス連盟(ITF)の競技規則によるものです。
| 項目 | ソフトテニス | 硬式テニス |
|---|---|---|
| 1. ボール | 空気入りのゴムボール。30〜31g、直径6.6cm | フェルト(布)で覆われたボール。56.0〜59.4g、直径6.54〜6.86cm |
| 2. ラケット | 軽めで細いフレームが一般的。重さや寸法の制限なし | 重めで頑丈。全長73.7cm・全幅31.7cmまで |
| 3. コート・ネット | コートの大きさは同じ。ネットは1.07mで水平 | ネットは両端1.07m、中央0.914m |
| 4. 得点の数え方 | ゼロ、ワン、ツー、スリー | ラブ、15、30、40 |
| 5. サーブとダブルス | 同じゲームの中でペアが2ポイントずつ交代 | 1ゲームを1人が打ちきる |
| 6. 打ち方 | フォアもバックも同じ面で打つのが基本 | フォアとバックで反対の面を使う |
| 7. プレー環境 | 日本発祥。アジアを中心に広がる | 世界中で行われ、四大大会やオリンピックがある |
※ボールの数値は、硬式テニスが一般的な「タイプ2」のものです。
ソフトテニスと硬式テニスの7つの違い
違い1:ボール|ゴムとフェルト、重さは約2倍
2つの競技を分けているのは、ボールです。
ソフトテニスは空気の入ったゴムボールで30〜31g、硬式テニスは表面がフェルト(布)で覆われたボールで56.0〜59.4gです。直径はどちらも6.6cm前後とほぼ同じですが、重さは硬式テニスが約2倍あります。ソフトテニスのボールは、1.5mの高さから落として70〜80cm弾むように、空気の量を調整して使います。空気が抜けたら専用のポンプで入れ直せるのも特徴です。
弾み方にも違いがあります。笹川スポーツ財団のスポーツ辞典によると、ソフトテニスのボールは打った直後は速いものの、バウンド後に急に減速します。硬式テニスのボールは反発力が強くてよく弾み、弾んだあとのスピードも速いとされています。
違い2:ラケット|軽くて細いか、重くて頑丈か
ボールが違うので、ラケットも別物です。
| ソフトテニス | 硬式テニス | |
|---|---|---|
| 重さの目安 | 180〜270g | 250〜340g |
| ガットの張りの強さの目安 | 25〜30ポンド | 40〜60ポンド |
| 規則上の制限 | フレームの材質・重さ・寸法・形は自由 | 全長73.7cm、全幅31.7cmまで |
重さと張りの強さは、笹川スポーツ財団のスポーツ辞典に載っている目安です。ソフトテニスのラケットは軽いボールを振りぬいて飛ばすために、軽くてフレームが細め。硬式テニスのラケットは、重いボールの衝撃に耐えられるつくりになっています。
見た目は似ていますが、兼用はせず、それぞれ専用のラケットを使いましょう。なお、同辞典によると、ソフトテニスのラケットには日本ソフトテニス連盟の公認マークが必要です。大会に出るなら購入前に確かめましょう。
違い3:コートとネット|大きさは同じ、ネット中央が約16cm違う

コートの大きさは同じです。どちらも縦23.77m、横はダブルスで10.97m、シングルスで8.23mと決められています。
違うのはネットの張り方です。
| ソフトテニス | 硬式テニス | |
|---|---|---|
| ネットの両端 | 1.07m | 1.07m |
| ネットの中央 | 1.07m(水平に張る) | 0.914m(ストラップで下げる) |
硬式テニスは中央をストラップ(センターベルト)で引き下げるため、真ん中が低くなります。ソフトテニスは端から端まで水平です。中央の高さの差は15.6cm(約16cm)。同じコートを使うときは、ネットの高さの調整が必要です。
違い4:得点の数え方|「ワン・ツー」と「15・30」
得点の呼び方は、はじめての人が戸惑いやすいところです。
| ソフトテニス | 硬式テニス | |
|---|---|---|
| ポイントの呼び方 | ゼロ、ワン、ツー、スリー | ラブ、15、30、40 |
| 1ゲームを取る条件 | 4ポイント先取(3対3でデュース) | 4ポイント先取(40対40でデュース) |
| 試合の単位 | 7ゲームマッチ、9ゲームマッチなど | 6ゲーム先取(2ゲーム差)で1セット。3セットマッチなど |
| 競ったとき | ファイナルゲーム(7ポイント先取) | 6対6でタイブレーク(7ポイント先取) |
「4ポイントで1ゲーム」「デュースのあとは2ポイント連続で取る」という骨組みは共通しています。違うのは呼び方と、試合全体の長さの決め方です。
ソフトテニスは、7ゲームマッチなら4ゲーム先取で勝ち。3対3になると、7ポイント先取の「ファイナルゲーム」で決着をつけます。硬式テニスは、ゲームを積み重ねて「セット」を取り合います。どちらも競った場面は7ポイント先取(2ポイント差が必要)で決める点が共通です。試合の長さは大会ごとに決められています。
違い5:サーブとダブルス|1ゲームの中で交代するかどうか
サーブを2回まで打てる点は同じです。2本とも失敗すると相手のポイントになります。
大きく違うのは、ダブルスでサーブを打つ順番です。
- ソフトテニス:同じゲームの中で、ペアの2人が2ポイントずつ交代で打つ
- 硬式テニス:1ゲームを1人が最後まで打つ。次に自分たちの番が来たら、パートナーが打つ
また、ソフトテニスは歴史的にダブルスを中心に発展してきました。前でボレーやスマッシュを決める「前衛」と、後ろでラリーをつなぐ「後衛」に役割を分けるペアが多いのも特徴です。シングルスは、1993年に制定された国際競技規則で採用されました。
違い6:打ち方|バックハンドで使う面が違う

経験者が転向するときに、差を感じやすいのが打ち方です。
- ソフトテニス:フォアハンドもバックハンドも、ラケットの同じ面で打つのが基本。バックは片手打ちが主流
- 硬式テニス:フォアとバックで反対の面を使う。バックは両手打ちの人が多い
ソフトテニスは軽いゴムボールをしっかりつぶして飛ばすため、大きく振りぬくスイングになりやすい傾向があります。硬式テニスはボールが重くよく弾むので、回転をかけてコートに収める技術が重視されます。
これらは規則で決まっているものではなく、ボールの性質から生まれた一般的な打ち方の違いです。
違い7:プレー環境|日本発祥か、世界のスポーツか
ソフトテニスは日本で生まれたスポーツです。明治初期に伝わったテニスをもとに、ゴムボールを使う形で考案され、1884年(明治17年)に東京高等師範学校で行われたのが始まりとされています。1992年に「軟式庭球」から「ソフトテニス」へ名称が変わりました。現在はアジアを中心に広がり、アジア競技大会では1994年の広島大会から正式競技です。
硬式テニスはフランス発祥とされ、世界中でプレーされています。四大大会やオリンピックなど、世界規模の大会があるのも特徴です。
身近な環境にも差があります。部活動としてどちらがあるかは、学校や地域によって違います。硬式テニスは民間のテニススクールで習うケースも多いため、通える範囲に続けられる場所があるかを先に確認しましょう。
ソフトテニスと硬式テニスはどっちが難しい?
結論は、どちらが難しいとは言えません。難しさの種類が違います。
| 最初にぶつかりやすい壁 | |
|---|---|
| ソフトテニス | 軽いボールを振りぬいて飛ばす感覚。ペアでの連携と駆け引き |
| 硬式テニス | 重くよく弾むボールをコートに収める感覚。両面を使う打ち方 |
どっちを始める?迷ったときの判断軸

「どちらが上か」ではなく、自分の環境と目的に合うほうを選びましょう。
| こんな人は | 向いているのは |
|---|---|
| 学校の部活動で、仲間と一緒に始めたい(部がある場合) | 部活動として設置されているほう |
| ペアで息を合わせるダブルスが好き | ソフトテニス |
| 軽いラケットとボールで始めたい | ソフトテニス |
| 世界のプロの試合にあこがれている | 硬式テニス |
| 1人で戦うシングルスを中心にやりたい | 硬式テニス |
| 大人になっても近所のスクールで続けたい | 通える範囲にスクールやクラブがあるほう |
決める前に確認したいのは、次の3つです。
- 通う学校・進学先に、どちらの部があるか
- 近くに練習できるコートやクラブ、スクールがあるか
- 用具代や月謝など、続けるための費用(金額は店やスクールで違うため、見積もりを取って比べる)
転向するときにつまずきやすいポイント
片方の経験は、もう片方でも活きます。フットワークや試合の組み立ては共通の財産です。そのうえで、つまずきやすい点を先に知っておきましょう。
ソフトテニスから硬式テニスへ
- ボールが飛びすぎる:同じ感覚で振るとアウトになりやすい。まずは力を抜いて、回転でコートに収める意識を持つ
- バックハンドの面:フォアと同じ面で打つ癖が出やすい。反対の面を使う両手打ちから覚える方法もある
- グリップの握り:ソフトテニスの握りのままだと、ボレーやサーブで窮屈になりやすい。ショットごとに握りを見直す
- ボールの重さ:ラケットもボールも重くなる。手首やひじに負担を感じたら、無理をせず練習量を調整する
硬式テニスからソフトテニスへ
- 当てるだけでは飛ばない:軽いボールは、振りぬかないと失速する。大きなスイングで押し出す
- バウンド後の減速:硬式よりボールが伸びてこない。打点に入る一歩を早くする
- 数え方とサーブ順:「ワン・ツー」の数え方と、ゲーム内でサーブを交代するルールを先に覚える
よくある質問
Q. ソフトテニスと硬式テニスのボールの違いは何ですか?
素材と重さが違います。ソフトテニスは空気入りのゴムボールで30〜31g。硬式テニスは表面がフェルトで覆われ、56.0〜59.4gです。直径はほぼ同じですが、重さは硬式が約2倍あります。
Q. ソフトテニスと硬式テニスのコートの違いは何ですか?
コートの大きさは同じです。縦23.77m、横はダブルスで10.97m。違うのはネットで、ソフトテニスは1.07mで水平に張り、硬式テニスは中央を0.914mまで下げます。
Q. ソフトテニスと硬式テニスのルールの違いは何ですか?
得点の呼び方と、ダブルスのサーブ順が主な違いです。ソフトテニスは「ゼロ、ワン、ツー、スリー」と数え、ゲームの中でペアが2ポイントずつ交代でサーブを打ちます。硬式テニスは「ラブ、15、30、40」と数え、1ゲームを1人が打ちきります。
Q. ソフトテニスと硬式テニスの打ち方の違いは何ですか?
バックハンドで使うラケットの面が違います。ソフトテニスはフォアと同じ面で打つのが基本。硬式テニスは反対の面を使い、両手打ちが多く見られます。スイングの大きさや回転のかけ方も変わります。
Q. ソフトテニスのラケットで硬式テニスはできますか?
おすすめしません。ソフトテニスのラケットは軽いゴムボール用で、ガットもゆるめに張られています。約2倍の重さがある硬式ボールを打つ前提のつくりではありません。
Q. ソフトテニスと硬式テニスのシューズの違いは何ですか?
靴底はコートの種類で選びます。砂入り人工芝やクレー用、オールコート用など、使うコートに合うものを選びましょう。大会に出る場合は、主催者の要項で用具の決まりも確かめてください。
まとめ
- いちばんの違いはボール。ソフトテニスは30〜31gのゴムボール、硬式テニスは56.0〜59.4gのフェルトボール
- コートの大きさは同じ。ネットの中央の高さが約16cm違う
- 得点は「ワン・ツー」と「15・30」。ダブルスのサーブ順も違う
- バックハンドは、ソフトテニスが同じ面、硬式テニスが反対の面で打つ
- どちらが難しい・上ということはない。続けられる環境と目的で選ぶ
迷ったら、まず「通う学校にどちらの部があるか」「近くに練習場所があるか」を調べてみてください。そのうえで、気になるほうを一度体験してみましょう。

