ソフトテニスの世界選手権(国別対抗)で世界一を経験した船水雄太(ふねみず・ゆうた)選手は、2024年にピックルボールへ転向し、いまはアメリカのプロの舞台で戦っています。「なぜ転向したの?」「ピックルボールでの成績は?」と気になっている方も多いはずです。
この記事では、所属事務所の発表や大手報道で確認できた事実だけをもとに、船水選手のプロフィール、ソフトテニス時代の実績、ピックルボールでの歩みを整理しました。
船水雄太選手のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 船水 雄太(ふねみず・ゆうた/Yuta Funemizu) |
| 生年月日 | 1993年10月7日(2026年10月時点で33歳) |
| 出身 | 青森県黒石市 |
| 身長 | 178cm |
| 利き手 | 右利き |
| 経歴 | 東北高校 → 早稲田大学 → NTT西日本 → プロソフトテニス選手(2020年度〜) |
| 現在 | プロピックルボール選手(2024年に転向) |
| ピックルボールでの主な役割 | ダブルスの右サイド |
※プロフィールは所属事務所・AAS Management(エースマネジメント)の公式ページによります(2026年10月20日確認)。
ソフトテニス時代の主な実績

船水選手は、高校・大学・社会人のすべてで日本のトップに立ってきました。主な実績は次のとおりです(所属事務所の発表による)。
| 時期 | 主な実績 |
|---|---|
| 東北高校 | インターハイで団体・個人の2冠 |
| 早稲田大学 | 全日本大学対抗選手権で4連覇。団体・ダブルス・シングルスの全タイトルを獲得 |
| 2015年 | 世界選手権の日本代表に選ばれ、国別対抗戦で世界一 |
| NTT西日本(2016年〜) | ソフトテニス日本リーグ10連覇。全日本社会人選手権・国体などでも優勝 |
| 2020年〜 | プロソフトテニス選手として活動 |
弟・船水颯人選手との関係
ソフトテニスの船水颯人選手は、雄太選手の弟です。早稲田大学の競技スポーツセンターによると、2015年の全日本シングルス選手権では、颯人選手が優勝、雄太選手が2位と、兄弟で1・2位を占めました。2018年の同大会でも、準決勝で兄弟対決が実現しています。
颯人選手は、現在もソフトテニスのトップ選手として活躍しています。
ピックルボールに転向した理由
コロナ禍で「競技人生が止まった」と感じたことがきっかけ
GLOBERIDE(グローブライド)が2026年7月に公開したインタビュー「Story #036」で、船水選手は転向のきっかけを次のように語っています(要約)。
- 2020〜2022年のコロナ禍で、ソフトテニスの大会がほとんど開かれなかった
- アメリカでピックルボールが急速に広がっていると知り、新しい挑戦の場があると考えた
- 初心者でもすぐにラリーや試合を楽しめる点に、スポーツとしての可能性を感じた
2024年1月に単身渡米
船水選手は2024年1月に単身で渡米し、ピックルボールに本格的に取り組み始めました。米国のプロツアー「PPAツアー」の公式サイトは2025年2月、船水選手が日本人選手として初めて、PPAツアーとMLPの運営団体(UPA)と専属契約を結んだと発表しています。
ただし、最初から順調だったわけではありません。同じインタビューでは、渡米後のおよそ2か月半はアマチュア選手にも勝てなかったこと、英語が話せず練習相手も見つからず、ひとりで壁打ちを続けた日もあったことが語られています。
MLP(メジャーリーグ・ピックルボール)での歩み

MLPは、アメリカのチーム対抗のプロリーグです。選手はドラフトなどでチームに所属し、男女混合のチームで戦います。
2025年3月:ドラフト指名で「日本人初のMLP選手」に
船水選手は2025年3月のMLPドラフトで指名されました。時事通信は全体39番目での指名と報じ、所属事務所は「日本人選手として初めてのMLP選手」と発表しています。
2025年シーズン:控えから主力へ
1年目は控えメンバーからのスタートでした。2025年7月4日のMLPニューヨーク大会では試合に勝利し、ピックルボール専門メディアのpickleball.comは、MLPで勝利を挙げた初の日本人選手と報じました。
船水選手を支援するVisionalの発表によると、2025年シーズンの個人成績は11勝19敗。シーズン中盤から起用が増え、終盤には主力として、チームのプレーオフ進出に関わりました。
2026年シーズンとMLPアジア
2026年もMLPでプレーしています。なお、2026年の所属チームについては、発表の時期によって異なるチーム名が示されているため、この記事ではチーム名を挙げていません。
アジア版のプロリーグ「MLP Asia 2026」は、2026年11月13日に日本ラウンドが開幕します。所属事務所や主催側の発表では、船水選手は東京のチームのキャプテンとして出場予定です(2026年10月20日時点の発表。チーム名は発表元によって表記が異なります)。
PPAツアーでの主な成績
PPAツアーは、アメリカを中心とした個人戦のプロツアーです。アジアでは別に「PPAツアー・アジア(PPA Asia)」が開かれています。船水選手は主に男子ダブルスに出場しています。
| 時期 | 大会 | 結果(男子ダブルス) |
|---|---|---|
| 2025年8月 | PPAツアー ラスベガス大会 | 5位 |
| 2026年2月 | Cape Coral Open | 5位(ベスト16で元世界ランキング1位のコリン・ジョンズ選手の組に勝利) |
| 2026年5月 | PPA Atlanta(グランドスラム) | 4位 |
| 2026年5月 | PPA 500 San Clemente | 優勝(Tama Shimabukuro選手と組む) |
| 2026年7月 | PPA ASIA 500 Sansan TOKYO OPEN 2026(PPAツアー・アジア) | 優勝(Tama Shimabukuro選手と組む) |
| 2026年9月 | PPA Veolia Arizona Open | 準優勝(Nicolas Acevedo選手と組む) |
※所属事務所(AAS Management)とVisionalの発表によります。
2026年5月:PPAツアーで日本人初優勝
米国カリフォルニア州で行われた「PPA 500 San Clemente」で、船水選手は男子ダブルスに優勝しました。所属事務所は、日本人選手として史上初のPPAツアー大会での優勝と発表しています。決勝のスコアは11-9、11-4でした。
その1週間前のグランドスラム大会「PPA Atlanta」でも4位に入っており、所属事務所は2大会続けて自己最高の成績を更新したとしています。
2026年7月:東京開催のPPAツアー・アジア大会で優勝
東京都立川市で7月1〜4日に開かれた「PPA ASIA 500 Sansan TOKYO OPEN 2026」でも、男子ダブルスで優勝しました。Visionalはこの大会を「PPAツアー初の東京開催」と紹介し、優勝を日本人男子初のPPA ASIA制覇と発表しています。決勝では、元世界ランキング1位のコリン・ジョンズ選手の組に2-1で勝っています。
2026年9月:世界トップペアを破って準優勝
アリゾナ州メサの「PPA Veolia Arizona Open」では、第15シードから勝ち上がって準優勝しました。ベスト16では、第1シードのベン・ジョンズ選手とフェデリコ・スタクスルード選手の組に11-4、11-5で勝利しています。決勝は最終ゲーム13-15の接戦でした。
ランキング(DUPR)
ピックルボールには、世界共通のレーティング「DUPR」があります。Visionalの発表では、2026年5月11日時点で男子ダブルスのアジアランキング1位(日本人男子初)、世界ランキングは25位を記録しました。順位は試合のたびに変わるため、最新の数値はDUPRやPPAツアーの公式サイトで確認してください。
ソフトテニスの経験はピックルボールで生きる?
ソフトテニスとピックルボールは、どちらもダブルスでのネット際の攻防が多い競技です。そのため、ソフトテニス経験者は打ち合いやボレーに入りやすいと言われます。
船水選手の場合、報道では次の点が挙げられています。
- フォアとバックを同じ面で打つ技術:時事通信は、ソフトテニス特有のこの打ち方がラケットさばきの多彩さにつながり、アメリカでは珍しい武器になっていると伝えています
- ボレーの技術:ネット際での速い打ち合いで、ソフトテニスで磨いたボレーが生きているとされます。所属事務所も「独特のボレースタイル」と紹介しています
- 攻撃的なプレースタイル:インタビューでは、攻めのプレーを自分の武器にしていると語っています
一方で、渡米当初はソフトテニス流の打ち方が「変わった選手」と見られたこともあったそうです。元全米チャンピオンのダニエル・ムーア氏から、ソフトテニスの技術をピックルボールにどう落とし込むかを学んだと語っています。
用具とサポート

テニスとピックルボールのブランド「DIADEM」は、2026年1月に船水選手との契約を発表しています。前述のインタビューで船水選手は、日本でピックルボールを広めようとする姿勢への共感と、自分のプレースタイルに合うパドルに出会えたことを、契約の決め手に挙げています。
また時事通信によると、船水選手は東北高校時代の先輩とマネジメント会社を立ち上げ、ソフトテニスの賞金大会の開催など、競技を盛り上げる活動にも取り組んでいます。
よくある質問(FAQ)
Q. 船水雄太選手はなぜピックルボール選手になったのですか?
コロナ禍でソフトテニスの大会がほとんど開かれず、アメリカでピックルボールが急速に広がっていると知ったことがきっかけと語っています。誰でもすぐに楽しめる点にも可能性を感じたそうです。
Q. 船水雄太選手はピックルボールで優勝したことがありますか?
あります。2026年5月のPPAツアー「PPA 500 San Clemente」と、7月のPPAツアー・アジア「PPA ASIA 500 Sansan TOKYO OPEN 2026」で、いずれも男子ダブルスで優勝しました。San Clementeの優勝は、日本人選手として史上初のPPAツアー大会での優勝と発表されています。
Q. 船水雄太選手のピックルボールのランキングは?
DUPRの男子ダブルスで、2026年5月11日時点でアジア1位・世界25位を記録したと発表されています。順位は変動するため、最新の値は公式サイトで確認してください。
Q. 船水雄太選手は何歳ですか?
1993年10月7日生まれで、2026年10月時点で33歳です。
Q. 船水雄太選手と船水颯人選手の関係は?
兄弟です。雄太選手が兄、ソフトテニスで活躍する颯人選手が弟です。
まとめ
- 船水雄太選手は、ソフトテニスで2015年世界選手権の国別対抗世界一などを経験したトップ選手
- コロナ禍をきっかけに、2024年1月に単身渡米してピックルボールに転向
- 2025年3月にMLPのドラフトで指名され、日本人初のMLP選手と発表された
- 2026年はPPAツアー(米国)とPPAツアー・アジアで1度ずつ優勝、9月には世界トップペアを破って準優勝
- フォアとバックを同じ面で打つ技術やボレーなど、ソフトテニスで磨いた技術が武器と報じられている
2026年10月20日時点の発表では、11月にMLP Asia 2026、12月には東京の「PPA Asia 125 PJ TOKYO Challenger 2026」(12月7〜9日)への出場が予定されています。12月の大会では、男子ダブルスでベン・ジョンズ選手と組む予定です。ソフトテニス経験者なら、船水選手のプレーを見ながら「ソフトテニスの技術がどう生きるか」に注目してみるのもおすすめです。

