「ピックルボールはオリンピックで見られるの?」「いつ種目になるの?」と気になっている方は多いはずです。

結論から言うと、ピックルボールは2026年10月時点でオリンピック種目ではありません。2028年ロサンゼルス大会の追加競技にも入っていません。関係団体は2032年ブリスベン大会での採用を目指している段階です。IOC(国際オリンピック委員会)や国際団体、Pickleball Japanの公式発表をもとに、現状と今後の見通しを整理します。

結論|ピックルボールとオリンピックの現状まとめ

項目現状(2026年10月21日時点)
オリンピック種目か種目ではない
2028年ロサンゼルス大会追加競技5つに含まれていない(2023年10月に決定)
2032年ブリスベン大会実施競技はまだ発表されていない。関係団体は採用を目指している
国際統括団体GPFとUWPFの2系統に分かれ、統合に向けて協議中
IOCの承認IOCに承認された国際競技連盟はまだない
日本の統括団体Pickleball Japan(一般財団法人ピックルボール日本連盟)。2026年6月に日本スポーツ協会の承認団体に

ポイントは、五輪に入るための前提条件(IOCが認めた国際団体)がまだそろっていないことです。

2028年ロサンゼルス五輪にピックルボールはない

青空の下にある屋外のピックルボールコート

追加競技は5つに決まっている

2028年ロサンゼルス大会(LA28)では、大会組織委員会が提案した野球・ソフトボール、クリケット、フラッグフットボール、ラクロス、スカッシュの5競技が追加競技に選ばれました。2023年10月、インドのムンバイで開かれたIOC総会で承認されています。

ピックルボールはこの5競技に入っておらず、ロス五輪では実施されません。アメリカでは競技人口が約2,430万人(2025年・SFIA調査)に達し、PPAツアーやMLP(メジャーリーグ・ピックルボール)といったプロの舞台もありますが、普及の度合いだけでは五輪競技になれません。

開催都市の「追加提案」にも条件がある

五輪には、開催都市の組織委員会がその大会に限って競技を追加提案できる仕組みがあります。東京2020の空手やスケートボード、LA28のフラッグフットボールなどがこの枠です。

ただし、追加提案された競技でも、IOCに承認された国際競技連盟(IF)が統括していることが前提です。ピックルボールがこの条件を満たしていなかったことが、ロス五輪に入れなかった大きな理由と考えられます。

オリンピック種目になるための条件

IOCに承認された国際競技連盟が必要

五輪の競技は、IOCが承認した国際競技連盟が世界のルールや大会を取りまとめています。テニスなら国際テニス連盟(ITF)、バドミントンなら世界バドミントン連盟(BWF)がその役割です。

ピックルボールには、その立場の団体がまだありません。まず国際団体がIOCの承認を受けることが第一歩です。

IOCが求める主な基準

国際団体の1つであるGPF(Global Pickleball Federation)は、IOCが求める主な要件として次の4つを挙げています。

要件内容
ガバナンス五輪憲章に沿った、民主的で開かれた組織運営
アンチ・ドーピング世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の規程を導入する
紛争解決スポーツ仲裁裁判所(CAS)を受け入れる
世界的な普及世界各地での競技の広がりと国際大会の実施

GPFは同じ記事で、IOCは統一された指導体制を持つ競技を優先すると説明しています。1つの競技に国際団体が複数あると、IOCの承認を受けにくいということです。

ブリスベン2032から選び方が変わった

2026年6月のIOC総会では、「Fit for the Future」の取り組みの一つとして、新しい五輪プログラムの選び方が承認されました。IOCの発表によると、主な変更点は次のとおりです。

  • ブリスベン2032から、競技全体ではなく種目(ディシプリン)単位で評価する
  • 組織委員会が追加提案できるのは、夏季大会で最大4種目まで
  • まずガバナンス・インテグリティ・アンチ・ドーピング・選手保護で審査し、その後に世界的な人気や選手の広がり、費用、運営の難しさなどを評価する

さらにIOCは2026年8月、ブリスベン2032の候補種目の条件を公表しました。対象はIOCに承認された国際競技連盟が統括する競技に限られます。実施が決まっている競技の連盟は1種目を追加提案でき、東京2020・パリ2024・LA28の追加競技は、ブリスベン組織委員会の要請を通じて候補になる仕組みです。新しい競技を提案する機会も別にありますが、時期は未定です。

いずれにしても、IOCの承認を受けた国際団体がないままでは、候補の土俵に上がるのは難しいのが現状です。

国際団体は2つに分かれている|GPFとUWPF

緑色のコートでパドルを構えて打ち合う2人のイラスト

主な国際団体の整理

ピックルボールの国際団体は名前が似ていて混同しやすいため、表で整理します。

略称正式名称成り立ち・現在の立場
GPFGlobal Pickleball Federation2023年に発足し、USA Pickleballなどが加盟。2025年6月にIOC承認の手続きに入ったと公表。会員は76と案内
UWPF(WPF)United World Pickleball Federation(公式サイトの名称は World Pickleball Federation)IPF(International Pickleball Federation、旧IFP)とWPF(World Pickleball Federation)が統合した体制。2025年6月の特別総会で統合を承認。アジア・欧州の加盟が多い

共同発表では「UWPF」、公式サイトでは「WPF」の名称が使われています。大きく2つの流れが並び立っている状態です。

一本化に向けた合同タスクフォース

2025年11月17日、GPFとUWPFは単一の国際統括団体をつくるために協力すると共同で発表しました。合同タスクフォースが交渉を担い、新しい団体はIOCの基準に完全に沿うように設計するとしています。

このタスクフォースには、日本から当時ピックルボール日本連盟の副理事長だったリオダン リカ氏も委員として加わっています。

2026年10月時点ではまだ統合していない

GPFは会員ページで「2026年7月までの統合を見込む」と案内していましたが、2026年10月21日時点で、統合の完了や新しい団体名の正式発表は確認できません。2026年9月にはGPFが統合と五輪への道筋に関するQ&Aを掲載しており、協議は続いているとみられます。

2032年ブリスベン大会で採用される可能性は?

コートのライン際に置かれた黄色いピックルボールのボール

採用を「目指している」段階

ブリスベン大会での採用は、国内外の団体が目標として公言しています。

  • GPF:ブリスベン大会での採用に向けて取り組んでいると説明(2025年2月)
  • ピックルボール日本連盟:GPFとUWPFの統合を「2032年ブリスベン五輪採用に向けた不可欠な基盤」と発表(2025年11月)
  • PJのパートナー企業:ブリスベン五輪での追加種目化を目指すPJを支援すると発表(2026年7月)

ただし、ブリスベン大会の実施競技は2026年10月21日時点で発表されていません。ピックルボールが候補に挙がったというIOCの公式発表もありません。

実現に向けたハードル

  1. 国際団体の一本化:GPFとUWPFの統合を完了させる
  2. IOCの承認:統合後の団体がIOCの承認を受ける
  3. 体制の整備:WADAに沿ったアンチ・ドーピングや、世界ランキングの一本化
  4. 選考の競争:追加提案は最大4種目まで。IOCのコベントリー会長は、競技数がLA28の36より少なくなる見通しを示したと報じられている(AP通信・2026年5月)

WPFも公式サイトで、IOC承認までの段階として1〜3と同様の項目を挙げています。ブリスベン大会の競技は2026年末から2027年にかけて固まる見通しと報じられており、採用されるかどうかはまだ分からないというのが正確なところです。

アジア大会など他の総合大会での扱い

オリンピック以外の総合大会でも、ピックルボールの実施はまだ限られています。

大会ピックルボールの扱い
2026年アジア大会(愛知・名古屋)大会公式サイトの競技一覧に含まれていない。同じラケット競技のパデルとソフトテニスは実施
マカビア(2026年7月・エルサレム)ピックルボールが初めて実施されたと報じられている
Pickleball World Cup 2026(ベトナム・ダナン)国別対抗戦と個人戦の世界大会として開催

アジアでは、UWPFのアジアの地域連盟が2025年5月にアジア・オリンピック評議会(OCA)への加盟申請を終えたと、ピックルボール日本連盟が伝えています。アジア大会での実施につながるかは今後の注目点です。ソフトテニスのように、五輪種目でなくてもアジア大会で実施される競技もあります。

日本の動き|Pickleball Japanと日本スポーツ協会

ネットが張られた青いピックルボールコート

統括団体の一本化で国際連盟への加盟を目指す

日本では、日本ピックルボール協会(JPA)とピックルボール日本連盟(PJF)が2026年4月14日に統合し、「Pickleball Japan(PJ)」として新体制が始まりました。2026年1月の統合の基本合意では、ブリスベン五輪に向けて統合した国際連盟が誕生する中で国内の統一団体となり、その連盟に正式加盟してオリンピックへの参加を見据えることを目的に掲げていました。

日本スポーツ協会の承認団体に

2026年6月24日には、日本スポーツ協会(JSPO)の評議員会でJSPO承認団体としての加盟が承認されました。国内スポーツ界での統括団体としての位置づけがはっきりしました。

PJの理事長であるリオダン リカ氏は、GPFでアジアから唯一選ばれた常任理事を務め、UWPFの理事にも選ばれた経歴があります。日本は2つの国際団体の両方に役員を送り、統合の協議にも関わっていることになります。

よくある質問(FAQ)

Q. ピックルボールはオリンピック種目ですか?

2026年10月時点では、オリンピック種目ではありません。2028年ロサンゼルス大会の追加競技にも含まれていません。国内外の団体は、2032年ブリスベン大会での採用を目指しています。

Q. ピックルボールがロス五輪で採用されなかったのはなぜですか?

LA28の追加競技は2023年10月に5競技で決まり、ピックルボールは入りませんでした。五輪の競技にはIOCが承認した国際競技連盟が必要ですが、ピックルボールにはまだその団体がないことが大きな理由と考えられます。

Q. ピックルボールは2032年のブリスベン五輪で採用されますか?

まだ決まっていません。ブリスベン大会の実施競技は2026年10月時点で発表されておらず、ピックルボールが候補になったという公式発表もありません。国際団体の統合とIOCの承認が先に必要です。

Q. ピックルボールの国際連盟はどこですか?

主にGPF(Global Pickleball Federation)とUWPF(United World Pickleball Federation。公式サイトの名称はWorld Pickleball Federation)の2系統があります。2025年11月に一本化へ協力すると共同発表しましたが、2026年10月時点で統合は完了していません。

Q. 日本のピックルボールの統括団体はどこですか?

Pickleball Japan(一般財団法人ピックルボール日本連盟)です。2026年4月に2つの団体が統合して生まれ、2026年6月に日本スポーツ協会の承認団体になりました。

まとめ

  • ピックルボールは2026年10月時点でオリンピック種目ではない
  • 2028年ロス五輪の追加5競技には入っておらず、実施されない
  • 五輪採用にはIOCに承認された国際競技連盟が必要。国際団体はGPFとUWPFに分かれ、統合に向けて協議中
  • IOCは2026年に選び方を見直し、ブリスベン2032の追加提案は最大4種目。採用はまだ決まっていない
  • 日本はPickleball Japanに一本化し、日本スポーツ協会の承認団体になった

五輪採用のカギは、国際団体の統合とIOCの承認です。今後の動きは、IOCやPickleball Japanの公式発表で確認していきましょう。

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