「オーバーグリップを巻き替えても、握り心地がしっくりこない」「元グリップって外していいの?」。ラケットを使い込むと、こんな疑問が出てきます。

結論から言うと、元グリップはラケットに最初から巻かれている“土台”のグリップで、オーバーグリップより厚く、交換の回数は少ないものです。この記事では、オーバーグリップとの違い、交換のサイン、外し方と巻き直しの手順、選び方、太さの調整方法までまとめました。

元グリップとは?ラケットに最初から巻かれている土台のグリップ

円形に並べられた複数のソフトテニスラケット。グリップ部分には元グリップが巻かれている

元グリップ(元グリ)とは、ラケットを買ったときにハンドル部分に巻かれているグリップのことです。正式には「リプレイスメントグリップ(交換用グリップ)」と呼ばれ、ヨネックスの公式オンラインショップでは「本体レザー」という表現も使われています。

ソフトテニスでは、多くの人が元グリップの上にオーバーグリップ(グリップテープ)を重ねて使います。つまり、グリップは次の2層になっているのが一般的です。

層名前役割
外側オーバーグリップ(グリップテープ)汗を吸う・すべりを防ぐ。汚れたらこまめに巻き替える
内側元グリップ(リプレイスメントグリップ)クッション性と握りの形をつくる土台。ラケット本体を汗から守る

元グリップには、打球の衝撃をやわらげるクッションの役割があります。また、ハンドルの角(八角形の面の境目)の感触を伝え、握りの向きを手で感じ取る手がかりにもなります。

元グリップとオーバーグリップの違い

一番の違いは厚みです。ヨネックス公式オンラインショップの表記で比べると、差がよく分かります。

種類公式表記の厚みの例主な目的交換の頻度
元グリップ(ボルトレイジ・ジオブレイク搭載の本体レザー)1.6mm土台・クッション・太さを決める少ない
オーバーグリップ(定番のウェットタイプ)0.6mm吸汗・すべり止め多い
オーバーグリップ(極薄タイプ)0.4mm太さを変えずにすべり止め多い

※2026年10月17日時点の公式ショップの商品ページ表記。製品によって厚みは異なります。

この例で計算すると、元グリップの厚みはオーバーグリップの約2.7倍(0.6mmと比べて)〜4倍(0.4mmと比べて)です。そのため、元グリップを替えると太さや打球感がはっきり変わりますが、オーバーグリップは替えても太さはあまり変わりません。

元グリップは交換するもの?交換のサイン

使い込まれて色あせたグリップが巻かれたソフトテニスラケットのグリップ部分

元グリップも消耗品です。オーバーグリップを巻いていれば傷みにくいものの、使い続けるうちにクッションがつぶれ、表面も劣化していきます。

次のような状態に当てはまれば、交換を考えましょう。

  • オーバーグリップを新しくしても、握り心地が硬い・薄く感じる(クッションがつぶれている)
  • 元グリップが破れている、ささくれている
  • 巻き目がずれて、すき間や段差ができている
  • 汗を吸って黒ずんでいる、においが取れない
  • 買ったときより、グリップが細くなった気がする

頻度は練習量で大きく変わるため、オーバーグリップは汚れやすべりを目安にこまめに、元グリップは上のサインが出たら交換と考えると判断しやすくなります。

元グリップは外したままでもいい?

「後衛は細い方がいいから元グリップを外す」という話もあります。たしかに細くはなりますが、クッション性がなくなり、汗がハンドルに直接しみ込みやすくなるなどのデメリットがあります。

細くしたいときは、薄い元グリップや薄いオーバーグリップに替える方法から試すのがおすすめです(後半で説明します)。

元グリップの外し方|3ステップ

元グリップの交換は自分でもできます。まずは外し方です。

用意するもの

  • 新しい元グリップ(多くは仕上げ用テープつき)
  • はさみ
  • (エンドが針で留めてある場合)ラジオペンチ
  • (あれば)ビニールテープ

ステップ1:外す前に巻き方を写真に撮る

はがす前に、今のグリップをスマホで撮影しておきましょう。巻き終わりの位置・巻く向き・重ね幅が、巻き直すときの見本になります。

ステップ2:オーバーグリップと仕上げテープをはがす

まずオーバーグリップをはがします。次に、グリップの上端(シャフト側)に巻かれている仕上げテープ(止めテープ)をはがします。ここが元グリップの巻き終わりです。

ステップ3:上から下へ、ゆっくりはがす

巻き終わりの端をつまみ、シャフト側からグリップエンド側へ向かって、らせんをほどくようにはがしていきます。

多くの元グリップは裏に粘着面がついているので、勢いよく引っぱらず、ハンドルに沿わせるようにゆっくりはがすのがコツです。

ここで注意したいのが次の3点です。

  • カッターなどの刃物をハンドルに当てない:切れ目を入れて一気にはがすと、ハンドルに傷がつきやすく手を切るおそれもあります。指ではがせない部分だけ、はさみで少しずつ切りましょう
  • エンドの針(ステープル)は真っすぐ抜く:巻き始めが小さな針で留められているラケットもあります。ラジオペンチで真っすぐ引き抜き、鋭いのですぐに捨てましょう
  • グリップエンドのキャップは外さない:外すのはグリップだけです

はがした後の粘着跡の処理

粘着のりが少し残っていても、新しい元グリップを上から貼れるのですべて取りきる必要はありません。ただし、大きなかたまりや切れ端が残るとでこぼこになるので、指でこすり取れる範囲は取り除きましょう。

刃物で削ったり、除光液などの強い溶剤を使ったりすると、ラケットの塗装や表面を傷めるおそれがあるので避けてください。

新しい元グリップの巻き方|4ステップ

体育館のベンチに立てかけられたソフトテニスラケット

巻く動作はオーバーグリップと似ていますが、元グリップには粘着面でハンドルに直接貼る、厚みがあるぶん引っぱり方で太さが変わりやすいという違いがあります。

ステップ1:巻き始めをグリップエンドに合わせる

新しい元グリップの片端は、細くななめに切られていることが多く、こちらが巻き始めです。裏の保護シートを少しだけはがし、グリップエンドのふちに合わせて貼りつけます。針は打ち直さず、ずれやすい場合はビニールテープで巻き始めを押さえれば十分です。

ステップ2:同じ力・同じ重ね幅で巻く

保護シートを少しずつはがしながら、軽く引っぱって巻いていきます。重ね幅は最初の2〜3周で決めたら最後まで同じにすると、太さも見た目もそろいます。巻く向きは、外す前に撮った写真と同じにしましょう。

強く引っぱると伸びて薄く(細く)なり、弱いとたるんでしわになります。粘着面は貼り直すと弱まることがあるので、ずれたら早めに直しましょう。

ステップ3:巻き終わりをななめに切る

元のグリップが終わっていた位置まで来たら、余った部分をななめにカットします。ななめに切ると段差が小さくなり、仕上げテープもきれいに巻けます。

ステップ4:仕上げテープで止める

切った端を仕上げテープで巻いて止めます。ない場合は、ビニールテープでも代用できます。最後にオーバーグリップを巻いて完成です。

自分で巻くのが不安なら、ガット張りを頼んでいるショップに相談しましょう。店舗によっては交換作業を受け付けていて、張り替えと一緒に頼めます。

元グリップの選び方|素材・厚み・質感

重ねて置かれたソフトテニスラケットとボール

交換用の元グリップは、素材・厚み・質感の3つで選びます。

素材|シンセティック(合成)とレザー

素材特徴向いている人
シンセティック(ポリウレタンなどの合成素材)クッション性があり、手になじみやすい。種類が多い初心者〜中級者、打球の衝撃をやわらげたい人
レザー(天然皮革)硬めで、打球感やハンドルの角が手に伝わりやすいラケットの面の向きを細かく感じたい人

ヨネックスのボルトレイジ・ジオブレイク用の元グリップも、素材はポリウレタン(シンセティックタイプ)です。まずは今のラケットと同じタイプを選ぶと、違和感なく使えます。

厚み|太さとクッション性が変わる

  • 厚めの元グリップ:グリップが太くなり、クッション性が上がる
  • 薄めの元グリップ:グリップが細くなり、打球の感触が伝わりやすい

厚みは商品ページに「mm」で書かれていることが多いので、今の元グリップと比べて選びましょう。ヨネックスのように「◯◯シリーズ搭載」と明記した交換用もあり、迷ったら同じメーカー・同じシリーズ用の純正品が無難です。

質感・長さ・対応表記

元グリップの表面には、凹凸(エンボス)や穴あき加工など、さまざまな種類があり、カラーを選べるものもあります。オーバーグリップを巻く人は、表面の質感より厚みとクッション性を優先して大丈夫です。

購入前には長さと対応表記も確認しましょう。ヨネックスの公式表記では、ボルトレイジ・ジオブレイク用はどちらも長さ1200mmです。純正品には「Vタイプ用」など対応ラケットの区分が書かれていることもあります。

元グリップで太さを調整する方法

元グリップを使えば、ラケットのサイズ(UL0・UL1など)を買い替えなくても、太さをある程度調整できます。

したいこと方法注意点
太くしたい厚めの元グリップに替える握り心地がやわらかくなりすぎることがある
太くしたい元グリップの下にテープを巻く(下巻き)段差が出ないよう平らに巻く。ショップに相談すると安心
太くしたいオーバーグリップを2枚重ねる手軽だが、重ねるほどクッションがやわらかくなる
細くしたい薄めの元グリップに替えるクッション性は下がる
細くしたい極薄のオーバーグリップを使う太さの変化は小さめ

なお、グリップを太く・重くするとラケットのバランスも少し変わります。変えたあとは素振りや軽い打ち合いで感触を確かめてから試合に使いましょう。

よくある質問

Q. ソフトテニスの元グリップの厚さは?

製品によって異なります。たとえばヨネックス公式オンラインショップでは、ボルトレイジやジオブレイクのシリーズに搭載されている本体レザーの厚みが1.6mmと表記されています(2026年10月17日確認)。同ショップのオーバーグリップは0.4〜0.6mmの表記で、元グリップの方が厚いのが一般的です。

Q. 元グリップを外して、オーバーグリップだけで使ってもいいですか?

グリップは細くなりますが、クッション性が下がり、汗がハンドルに直接しみ込みやすくなるため、おすすめはしません。細くしたいときは、薄い元グリップや薄いオーバーグリップに替える方法から試しましょう。

Q. 元グリップの上にオーバーグリップは巻いた方がいいですか?

巻くのが一般的です。オーバーグリップは汗を吸い、元グリップの傷みや汚れを防ぎます。オーバーグリップをこまめに替えるほど、元グリップは長持ちします。

Q. 元グリップは自分で交換できますか?

できます。古いグリップをはがし、新しいグリップをグリップエンドから重ねて巻き、仕上げテープで止めるのが基本の流れです。刃物はハンドルに当てず、不安なときはラケットを買ったお店やショップに相談しましょう。

Q. ラケットと違うメーカーの元グリップを巻いてもいいですか?

巻くこと自体はできます。ただし、厚みや長さ、クッション性が純正と異なると、握ったときの太さや感触が変わります。今と同じ感覚で使いたい場合は、ラケットと同じメーカーの純正品を選ぶと安心です。

まとめ

  • 元グリップは、ラケットに最初から巻かれている土台のグリップ(リプレイスメントグリップ)
  • オーバーグリップより厚く、太さ・クッション性・打球感を決める役割がある
  • 新しいオーバーグリップでも硬い・細い・破れているなら、元グリップの交換どき
  • 外すときは先に写真を撮り、シャフト側からゆっくりはがす。刃物はハンドルに当てない
  • 巻くときはグリップエンドから、同じ力・同じ重ね幅で巻き、上端をななめに切って仕上げテープで止める
  • 選ぶときは素材・厚み・長さ・対応表記を確認。迷ったらラケットと同じメーカーの純正品

まずは今日、オーバーグリップを外して、元グリップにつぶれや破れがないか確かめてみてください。土台が整うと、同じオーバーグリップでも握り心地が変わります。

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