ピックルボールを始めてみたいけれど、「キッチンって何?」「0-0-2って何の数字?」と、ルールでつまずいている方は多いはずです。

試合に出るために覚えるルールは「下から打つサーブ」「ツーバウンドルール」「キッチン(ノンボレーゾーン)」「サーブ側だけが得点する数え方」の4つが中心です。この記事では、米国の競技団体USA Pickleballの2026年版公式ルールブックをもとに、試合に出られるレベルまでルールを整理しました。

結論|ピックルボールのルール要点まとめ表

項目ルールの要点(USA Pickleball 2026年版)
コート横6.10m×縦13.41m。シングルスもダブルスも同じ広さ
ネットの高さ両端(サイドライン上)91.44cm、中央86.36cm
サーブベースラインの後ろから対角のサービスコートへ。下から打つ(アンダーハンドのボレーサーブ)か、ワンバウンドさせて打つ(ドロップサーブ)
サーブの回数1回だけ。テニスのようなセカンドサーブはない
ツーバウンドルールサーブと、その返球(リターン)は、どちらも1回バウンドさせてから打つ
キッチンネットから2.13mの区域。ここに触れながらのボレー(ノーバウンドで打つこと)は反則
得点サーブ側がラリーに勝ったときだけ1点(サイドアウト方式)
勝敗11点先取・2点差。大会では15点・21点のゲームもある
スコアコールダブルスは3つの数字。ゲームは「0-0-2」で始まる。シングルスは2つの数字

※公式ルールはUSA Pickleballが毎年改訂しています。国内の統括団体は、2026年4月14日にJPAとPJFが統合したPickleball Japan(PJ)です。国内の大会や体験会では主催者がルールの細部や点数方式を変えることがあるため、参加前に要項を確認しましょう。

コートとネットの基本

ネットが張られた屋外の青いピックルボールコート

コートは横6.10m×縦13.41mで、シングルスもダブルスも同じ広さです。テニスのようなダブルス用の外側のラインはありません。

ネット側からキッチン(奥行2.13m)、その奥にセンターラインで区切った左右のサービスコートが並びます。ベースライン・サイドライン・センターラインはサービスコートに含まれますが、キッチンのラインはキッチンの一部です。この違いは、サーブの判定で大事になります。

試合の流れ|何人で、何点取れば勝ち?

試合はシングルス(1対1)かダブルス(2対2)で行い、体験会やサークルではダブルスが中心です。じゃんけんやコイントスなどで最初にサーブする側を決め、11点先取・2点差で勝ち(10対10からは2点差がつくまで続く)です。

大会では、11点の3ゲームマッチ(2ゲーム先取)や、15点・21点の1ゲームマッチも使われます(いずれも2点差)。

サーブのルール

ピックルボールのパドルと黄色い穴あきボール

サーブの共通ルール

  • 立つ位置:ベースラインの後ろ。センターラインとサイドラインを後ろに延長した範囲の中に立つ
  • 足:打つ瞬間、片足以上が地面に着いていること。ベースラインやコートの中を踏むと反則(フットフォルト)
  • 狙う場所:対角線の向こうのサービスコート。キッチン(ラインを含む)を越えて入れる
  • 回数:1回だけ。失敗したら、そのラリーは負け
  • ネットに触れたサーブ:正しいサービスコートに入れば、そのままプレー続行(やり直しはない)
  • タイミング:スコアを最後まで言い終えてから、10秒以内に打つ

ソフトテニスやテニスの経験者は「ネットに触れたらやり直し」「2本目がある」と考えがちですが、どちらもありません。

ボレーサーブ(下から打つサーブ)

離したボールを地面に落とさずに打つ、アンダーハンドのサーブです。2026年版では、次の3つをすべて満たす必要があります。

  1. パドル(ラケット)が、はっきりと下から上への弧を描いて動いている
  2. パドルのヘッドのいちばん高い部分が、手首より上に出ていない
  3. ボールを打つ位置が、腰より低い

2026年版では各条件に「はっきりと(clearly)」が加わり、より厳しく判断できる書き方になりました。上から振り下ろすサーブは反則です。

ドロップサーブ(ワンバウンドさせて打つサーブ)

ボールを落とし、地面で弾ませてから打つサーブです。守ることは主に2つです。

  • 自然な高さから、ボールを落とすだけにする(投げ下ろしたり、上に放ったりしない)
  • 落とした後は、何回弾ませても、どこで弾ませてもよい

「下から上」「腰より下」の条件がないため、初心者はドロップサーブから始めると反則を減らせます。

なお、どちらのサーブも、ボールを離すときに手や指で回転をかけてはいけません(審判がいない試合ではレシーバーがやり直しを求められ、審判がいる試合ではフォルト)。一方、パドルで打つ瞬間に回転をかけることは認められると、2026年版で明記されました。

ツーバウンドルール

サーブと、その返球(リターン)は、どちらも1回バウンドさせてから打つルールです(Two-Bounce Rule)。

  • 2球目(レシーブ側):ワンバウンドしてから打つ
  • 3球目(サーブ側):ワンバウンドしてから打つ
  • 4球目以降:ボレーでもワンバウンドでもOK

2球目・3球目をノーバウンドで打つとフォルトです。サーブ側は、3球目をワンバウンドで打てるようベースライン付近で待つのが基本です。

キッチン(ノンボレーゾーン)のルール

コートのライン際に置かれた黄色いピックルボールのボール

キッチン(正式名称:ノンボレーゾーン)は、ネットから2.13mの区域です。ここに触れながらボレーをしてはいけないというルールです。

キッチンで反則になること

  • キッチン(ラインを含む)に足や体が触れたまま、ボレーする
  • ボレーした後の勢いでキッチンに入る(ボールのプレーが終わった後でも反則)
  • ボレーの勢いで、キッチンに触れているパートナーにぶつかる
  • キッチンに入った後、両足がキッチンの外に戻る前にボレーする
  • ボレーの動作中に、帽子やパドルなど身に着けている物がキッチンに触れる

キッチンでやってよいこと

  • キッチンの中でバウンドしたボールを、中に入って打つ
  • ボールを打っていないときに、キッチンの中に立つ・通り抜ける
  • キッチンの外に足を置いたまま、キッチンの上の空中でボレーする(キッチンは地面の区域で、上の空間は含まない)

キッチンに入ること自体は反則ではなく、問題になるのはボレーするときだけです。

点数の数え方(スコアコール)

点数は、サーブ側が打つ前に言うスコアコールで管理します。

ダブルスは3つの数字

次の3つを順に言います。

  1. サーブ側チームの得点
  2. レシーブ側チームの得点
  3. サーバーの番号(そのチームの1人目のサーバーなら「1」、2人目なら「2」)

ダブルスでは2人とも1回ずつサーブ権を持ち、1人目がラリーに負けたら2人目に交代、2人目も負けたら相手チームにサーブ権が移ります(サイドアウト)。

例外はゲームの最初です。最初にサーブするチームは2人目のサーバーとしてスタートするため、ゲームは「0-0-1」ではなく「0-0-2」で始まります。

具体例|0-0-2から始まる流れ

チームA(A1・A2)とチームB(B1・B2)で、A1が最初にサーブする場合です。

ラリーサーバースコアコール結果その後
1A1(右から)0-0-2Aの勝ちAに1点。A1は左に移る
2A1(左から)1-0-2Aの勝ちAに1点。A1は右に移る
3A1(右から)2-0-2Bの勝ち点は入らず、サイドアウト
4B1(右から)0-2-1Aの勝ち点は入らず、B2に交代
5B2(左から)0-2-2Bの勝ちBに1点。B2は右に移る
6B2(右から)1-2-2Aの勝ち点は入らず、サイドアウト
7A1(右から)2-1-1—Aの1人目のサーバーから再開

ポイントは3つです。

  • 得点したら、サーバーとパートナーが左右を入れ替わる。レシーブ側は入れ替わらない
  • 2人目のサーバーは、今立っている位置からサーブを打つ
  • サイドアウトの後は、右側に立っている人が1人目のサーバーになる

立ち位置がわからなくなったら

各チームでゲーム開始時に右側にいた人は、自チームの得点が0か偶数なら右側、奇数なら左側にいるのが正しい位置です。ラリー7では、Aの得点が2(偶数)なので、開始時に右側だったA1が右側にいます。サーブ前なら、相手に正しいサーバーや立ち位置を聞くこともできます。

シングルスは2つの数字

シングルスでは「サーバーの得点」「レシーバーの得点」の2つを言い、「0-0」で始まります。サーバーの得点が0か偶数なら右から、奇数なら左からサーブし、負けたら相手にサーブ権が移ります。

ラリースコアリングの扱い(2026年)

ラリーに勝った側に毎回1点が入るラリースコアリングも、2026年版では「暫定ルール(Provisional Rule)」として認められています。スコアコールは2つの数字で、ダブルスでもサーバーは1チーム1人(負けたらすぐサイドアウト)です。

2026年からは、レシーブ側がゲームポイントでも、ラリーに勝てばそのままゲームに勝てるようになりました(2025年版では、ゲームを決める得点はサーブ側しか取れませんでした)。USA Pickleballの全米選手権などでは使わず、2027年に扱いを決めるとしています。

主なフォルト(反則)一覧

フォルト(反則)をすると、そのラリーは負けです。

場面主なフォルト
サーブ対角のサービスコートに入らない/キッチン(ラインを含む)に落ちる/フットフォルト/打ち方の違反/スコアコールの途中で打つ/10秒を過ぎる
ツーバウンド2球目・3球目をノーバウンドで打つ
キッチンキッチンに触れながらボレーする/ボレーの勢いでキッチンに入る
ラリーアウトになる/ネットを越えない/2回弾む前に返せない
体・道具パドルとパドルを握る手(手首より先)以外の体にボールが当たる/ボールを運ぶように打つ(キャリー)
ネットラリー中に体や道具がネットやポストに触れる/ボールがネットを越える前に打つ/打つ前にネットの面を越える
ダブルスパートナーと2人で同じボールを打つ/正しいレシーバー以外がリターンする

2026年版では、相手コートで弾んだボールが、相手が返す前にネットポストなどに当たった場合は、相手のフォルトとはっきり書かれました。1回のスイングで続けて当たる二度打ちは、一方向の連続した動きならフォルトになりません。

ラインの判定(セルフジャッジ)のルール

審判がいない試合では、自分のコート側のラインは自分たちで判定します。

  • ラインに触れたボールはイン(ただし、サーブがキッチンのラインに落ちたらアウト)
  • ボールとラインの間にすき間がはっきり見えたときだけ「アウト」とコールする
  • 迷ったボールや、パートナーと意見が分かれたボールはイン
  • 観客に判定を聞いてはいけない(2026年版で「すべきでない」から「してはならない」に変更)

よくある質問(FAQ)

Q. ピックルボールの簡単なルールは?

下から打つサーブを対角のコートに入れ、サーブとリターンはワンバウンドさせて打ちます(ツーバウンドルール)。ネット前のキッチンではボレーができません。サーブ側がラリーに勝ったときだけ得点し、11点先取・2点差で勝ちです。

Q. サーブがネットに触れて入ったらどうなりますか?

USA Pickleballの2026年版ルールでは、正しいサービスコートに入れば、そのままプレーを続けます。テニスのようなやり直しはありません。

Q. ピックルボールでスマッシュは打てますか?

打てます。ただし、キッチンの外に足があるときに限ります。キッチンに触れながら、またはスマッシュの勢いでキッチンに入ると反則です。サーブだけは上から打てません。

Q. 2026年にルールは変わりましたか?

USA Pickleballの2026年版では、ボレーサーブの条件に「はっきりと」が加わったこと、パドルで回転をかけるサーブが認められると明記されたこと、ラリースコアリングでレシーブ側もゲームを決められるようになったこと、観客に判定を聞くことの禁止などが変わりました。

まとめ

  • サーブは1回だけ。下から打つボレーサーブか、弾ませて打つドロップサーブ
  • サーブとリターンはワンバウンドさせて打つ(ツーバウンドルール)
  • キッチンに触れながらのボレーは反則。バウンドしたボールなら中で打ってよい
  • 得点はサーブ側だけ。ダブルスは3つの数字でコールし、「0-0-2」から始まる

まずはドロップサーブと「0-0-2」のスコアコールから覚えると、試合の流れについていきやすくなります。大会や練習会に出るときは、要項で点数方式(サイドアウト方式かラリースコアリングか)も確認しましょう。

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