ピックルボールを始めようと道具を調べると、「ラケット」と「パドル」の2つの呼び方が出てきて迷う方は多いはずです。
結論から言うと、ピックルボールのラケット=パドルです。ガット(ストリング)を張らない板状の道具なので、正式には「パドル」と呼びます。この記事では、2026年版のUSAピックルボール公式ルールの規格をもとに、初心者が最初の1本を選ぶときの基準(重さ・素材・形・グリップ・厚み・値段)と、買える場所をまとめました。
結論|初心者のパドル選びはこの7つを見る
最初の1本は、次の基準で選べば大きく外しません。
| チェック項目 | 初心者の目安 |
|---|---|
| 重さ | 振ってみて重く感じない中くらいの重さ。迷ったら軽すぎないもの |
| 面の素材 | グラスファイバーかカーボン。最初はどちらでもよく、重さと形を優先 |
| 面の形 | 面が広い「スタンダード」型。スイートスポット(よく飛ぶ場所)が広く、当てやすい |
| グリップ | 握ったとき、指と手のひらの間に少しすき間ができる太さ |
| 厚み | 16mm前後が基準にしやすい。コントロール寄りと説明されることが多い |
| 値段 | メーカー公式価格で単品は1万円台から。上位モデルは2万〜4万円台 |
| 公認表示 | 大会に出る予定があるなら「USA Pickleball Approved」表示のあるもの |
まずは体験会やレンタルで何本か打ってみてから買うのが、いちばん失敗が少ない方法です。
ピックルボールのラケットは「パドル」と呼ぶ

ピックルボールの道具は、テニスやバドミントンのような「網目(ガット)」のあるラケットではありません。硬い板の面でボールを打つため、パドル(Paddle)と呼ばれます。日本の通販サイトやお店では「ピックルボール ラケット」と書かれていることも多いですが、指しているものは同じです。
ソフトテニス経験者の方なら、次の違いを押さえておくとイメージしやすくなります。
| 項目 | ソフトテニスのラケット | ピックルボールのパドル |
|---|---|---|
| 打つ面 | ガットを張る | 板状の面(ガットなし) |
| 調整できる所 | ガットの種類・テンション | 張り替えはない。エッジガードや重りテープの追加などに限られる |
| 長さ | 長い | 短い(ルールで上限あり) |
| 選ぶときの軸 | 重さ・バランス・ガット | 重さ・面の素材・形・厚み |
ガットがないぶん、パドルそのものの素材や厚みで打ち心地が決まるのが大きな特徴です。
パドルのルール(規格)を先に知っておく
USAピックルボール(米国の統括団体)の「2026 USA Pickleball Official Rulebook」では、パドルについて次のように定めています(Rule 3.D)。
| 項目 | 規定(2026年版) |
|---|---|
| 大きさ | 長さ+幅の合計が24インチ(60.96cm)以下(エッジガード・グリップエンドを含む) |
| 長さ | 17インチ(43.18cm)以下 |
| 厚さ | 制限なし |
| 重さ | 制限なし |
| 表面 | 穴・ひび・はがれ、ざらざらした加工、紙やすりのような面、ゴム、過度な回転をかけられる加工などは禁止 |
| 表示 | ブランド名とモデル名、「USA Pickleball Approved」の表示が必要 |
さらに、USAピックルボールの公認大会では、承認パドルリスト(Approved Paddle List)に載っているパドルを使うことが求められます(Rule 18.A)。
日本の大会では?
日本では、日本ピックルボール協会(JPA)とピックルボール日本連盟が統合し、2026年4月14日から「Pickleball Japan(PJ)」として運営されています。PJの公式サイトに掲載された大会の告知には、使えるパドルを「UPA / USAP 公認パドル」と指定している例があります。
パドルの条件は大会ごとに要項で決まります。大会に出る予定がある方は、購入前に要項と公認表示を確認しましょう。レジャーや練習だけなら、公認表示がなくても楽しめます。
初心者のためのパドルの選び方6つのポイント

ここからは、パドル選びの6つの軸を1つずつ解説します。
1. 重さ|「振り抜きやすさ」と「安定感」のバランス
ルール上、重さに制限はありません。商品ページには「g(グラム)」か「oz(オンス)」で書かれていることが多く、1オンスは約28.35gです。
- 軽いパドル:振り回しやすく、ネット前の速いやり取りで手が出やすい。腕や肩への負担も小さめ
- 重いパドル:ボールに負けにくく、強い打球を返しやすい。ただし疲れやすい
初心者やシニアの方は、1試合(または30分)振っても疲れない重さを基準にすると選びやすくなります。ソフトテニス経験者は、普段のラケットより重く感じるか軽く感じるかも、判断材料になります。
2. 面の素材|グラスファイバーとカーボン
パドルは、中身の「コア」と、表面の「フェイス(サーフェス)」でできています。
| 素材 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| グラスファイバー | 弾みやすく、ボールを飛ばしやすいとされる。手ごろな価格帯のモデルに多い | 初心者、まず続けられるか試したい人 |
| カーボン(グラファイト) | 打球感がしっかりしていて、狙った所へコントロールしやすいとされる。上位モデルに多いが、1万円台の入門モデルもある | 続けると決めた人、コントロールを重視したい人 |
| 木製 | 重めで安価なものが多い。セット品に多い | レジャー用、子どもと遊ぶ用 |
コアはポリプロピレン(PP)のハニカム構造が多く使われています。初心者のうちは、コアよりも「重さ」と「面の形」を優先して選んで大丈夫です。
3. 面の形|スタンダードとロング(エロンゲイティッド)
ルールで「長さ+幅の合計」が決まっているため、長いパドルほど幅は狭くなります。
- スタンダード(ワイド)型:面が広く、スイートスポットも広い。初心者に向いている
- ロング(エロンゲイティッド)型:リーチが長く、ストロークで威力を出しやすい。面が細いぶん、芯を外しやすい
- ハイブリッド型:両者の中間
ソフトテニスやテニスの経験者は、手首の使い方に慣れているぶんロング型を選びたくなりますが、最初はスタンダード型で「面で運ぶ感覚」を覚えるのがおすすめです。
4. グリップの太さと長さ
グリップは、太すぎても細すぎても、手首や前腕に負担がかかります。握ったとき、指先と手のひらの間に人差し指1本分ほどのすき間ができるくらいが目安といわれます。
細い場合は、グリップテープを巻いて太くできます。太すぎるものは細くできないので、迷ったら細めを選ぶと調整しやすくなります。また、グリップが長いモデルは両手で打つ(両手バックハンド)のに向いています。
5. 厚み|14mmと16mmの違い
パドルの厚さは、商品名に「14mm」「16mm」と書かれていることが多く、ルール上の制限はありません。メーカーや販売店では、一般的に次のように説明されています。
- 16mm前後(厚め):打球が安定しやすく、コントロール寄りとされる
- 14mm前後(薄め):反発が強く、パワー寄りとされる。ボールが飛びすぎると感じる人もいる
ただし、打ち心地は厚みだけでなく、面の素材やコアの構造でも変わります。「14mmと16mmどちらがいい?」と迷ったら、16mm前後を基準にして、14mmと打ち比べてみると違いがつかみやすいでしょう。ネット前の短いボール(ディンク)を落ち着いて返したい人は、まず厚めから試すのも一つの考え方です。
6. 値段|価格帯ごとの考え方
パドルの値段は、素材や作りで大きく変わります。
| 価格帯の考え方 | 主な中身 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 手ごろ(セット品など) | 木製・グラスファイバー。2本セット+ボール付きも多い | 家族や友人と遊ぶ、まず試したい |
| 単品の入門モデル(1万円台〜) | グラスファイバーやカーボンの単品 | 体験会に通い始めた初心者 |
| 上位モデル(2万〜4万円台) | カーボン面・新しいコア構造など | 続けると決めた人、大会を目指す人 |
具体的な金額の例として、DIADEM(ダイアデム)のパドルをプリンス公式オンラインショップの表示価格で比べると、次のとおりです。
| モデル | 価格(税込) | 平均重量 | 厚さ | 面の素材 |
|---|---|---|---|---|
| RUSH(TPA006) | 11,000円 | 224g | 16.0mm | グラスファイバー |
| A52(TPA007) | 11,000円 | 220g | 13.7mm | カーボン |
| HANABI(TPA027) | 24,200円 | 227g | 16.0mm | カーボン |
| EDGE BLUCORE HYBRID14(TPA023) | 41,800円 | 227g | 14mm | カーボン |
※価格・仕様はプリンス公式オンラインショップの商品ページより(税込・確認日2026-10-19)。在庫状況や価格は変わることがあります。
メーカー公式の価格で見ると、単品のパドルは入門モデルで1万円台から、上位モデルは2万〜4万円台が目安です。ほかのメーカーや販売店では価格が異なるため、あくまで1ブランドの例として参考にしてください。入門モデルどうしでも、厚さや面の素材が違うので、上の6つの軸で比べると選びやすくなります。
主なパドルメーカー
日本で手に入りやすいメーカーには、次のようなものがあります。
| メーカー | 特徴 |
|---|---|
| ヨネックス(YONEX) | 日本のラケットメーカー。テニス・ソフトテニスと同じ「EZONE」「VCORE」の名前のパドルを展開 |
| DIADEM(ダイアデム) | 日本ではグローブライドが展開し、プリンス公式オンラインショップでも販売。1万円台の入門モデルから4万円台の上位モデルまでそろう |
| JOOLA(ヨーラ) | 卓球用品でも知られるメーカー。プロ選手の名前を冠したモデルもある |
| Selkirk(セルカーク) | 米国のパドル専門メーカー |
| Franklin(フランクリン) | 米国のスポーツ用品メーカー |
※ヨネックス・JOOLA・セルカーク・フランクリンの日本での価格・重量は、公式サイトで確認できなかったため掲載していません。購入時は、販売店の商品ページで重量と厚みを確認しましょう。
パドルはどこで買える?販売店の選び方

パドルは、主に次の3か所で買えます。
- スポーツ用品店:大型店ではピックルボールのコーナーがあることも。実物を握って重さを比べられる
- ピックルボール専門店:品ぞろえが多く、店員に相談しやすい。オンラインで買える専門店もある
- 通販(Amazon・楽天など):種類が多く、2本セットも見つけやすい
通販で買うときは、メーカーの正規販売店かどうかを確認しましょう。大会で使うつもりなら、パドルに「USA Pickleball Approved」の表示があるか、承認パドルリストに載っているかもあわせて確認すると安心です。
いきなり買わない選択肢もある
ピックルボールは、体験会や施設でパドルを貸し出していることがあります。何本か打ち比べてから買えば、重さや面の形の好みがはっきりします。
家族や友人と始めるなら、2本セット(ボール付き)から入るのも一つの方法です。続けると決めてから、自分に合う単品のパドルに買い替えるとムダがありません。
よくある質問(FAQ)
Q. ピックルボールのラケットとパドルは違うものですか?
同じものです。ピックルボールではガットのない板状の道具を使うため、正式には「パドル」と呼びます。
Q. 初心者はどんなパドルを選べばいいですか?
面が広いスタンダード型で、重すぎず、厚さ16mm前後のものを基準にすると選びやすいです。可能なら体験会などで打ち比べてから選びましょう。
Q. ピックルボールのパドルの値段はいくらくらいですか?
メーカー公式の価格では、単品のパドルは入門モデルで1万円台から、上位モデルは2万〜4万円台が目安です。木製やセット品はさらに手ごろなものもあります。価格は販売店や時期で変わります。
Q. パドルの14mmと16mmの違いは何ですか?
一般的に、16mm前後はコントロール寄り、14mm前後は反発が強くパワー寄りと説明されます。迷ったら16mm前後を基準に、14mmと打ち比べてみると違いがつかみやすいです。
Q. パドルの大きさにルールはありますか?
あります。2026年版のUSAピックルボール公式ルールでは、長さと幅の合計が24インチ(60.96cm)以下、長さが17インチ(43.18cm)以下です。厚さと重さには制限がありません。
Q. ピックルボールのパドルはどこで売っていますか?
スポーツ用品店、ピックルボール専門店、Amazonや楽天などの通販で買えます。大会に出るなら、公認表示のあるものを正規販売店で選ぶと安心です。
まとめ
- ピックルボールのラケット=パドル。ガットのない板状の道具
- 2026年版ルールでは、長さ+幅24インチ以下・長さ17インチ以下。厚さ・重さは自由
- 初心者は、スタンダード型・中くらいの重さ・16mm前後が目安
- 値段は、メーカー公式価格で単品1万円台から、上位モデルは2万〜4万円台
- 素材は、まずはグラスファイバー、続けるならカーボンも候補
- 大会に出るなら、要項と「USA Pickleball Approved」表示を確認
- 迷ったら、体験会のレンタルや2本セットで試してから選ぶ
最初の1本は「高いもの」より「疲れずに振り続けられるもの」を選ぶのが、上達への近道です。

