「ソフトテニス部に入ったけれど、1年でどんな大会があるの?」「道具はいつ、いくらぐらいかかるの?」。中学生本人も保護者の方も、最初は分からないことだらけのはずです。
結論から言うと、中学のソフトテニス部は夏の大会(中総体)がいちばん大きな目標で、勝ち進むと全国中学校ソフトテニス大会(全中)につながります。この記事では、部活の1年の流れ、全国までの道、前衛・後衛の決まり方、費用、上達のポイント、保護者の関わりを、2026年10月時点の公式情報をもとに整理しました。
結論|中学ソフトテニス部で押さえる6つのこと
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 1年の流れ | 春に入部→夏に中総体(地区→都道府県→ブロック→全中)→3年生引退→秋に新人戦→冬はインドア大会など |
| 全国大会 | 全中は団体戦が男女各25チーム、個人戦が男女各64ペアだけが出られる(2026年) |
| 新人戦 | 1・2年生の大会。全中の予選ではない |
| 前衛・後衛 | 全国共通の決め方はない。部の方針と本人の特徴で決まる |
| 道具と費用 | ラケット・シューズ・ウェアに加え、ガット代や大会の交通費も続けてかかる |
| 保護者 | 送迎や当番の有無は学校によって違う。入部時に確認する |
中学ソフトテニス部の1年の流れ

夏の中総体が最大の目標
中学のソフトテニスは、中学校体育連盟(中体連)が開く大会が中心です。中体連とは、全国の中学校の運動部の大会を運営する団体のことです。いちばん大きいのが、夏に行われる総合体育大会(中総体)で、ここから全国大会につながります。
三重県の2026年度を例に、1年の流れを見てみましょう。
| 時期 | 主な出来事(三重県の2026年度の例) |
|---|---|
| 4月 | 入部。基本の素振りやボール出しから始める |
| 5月 | 県中学生選手権(団体5月9日、個人5月16日) |
| 7月 | 県中学校大会(7月30日団体、31日個人) |
| 8月 | 東海中学校大会(8月8日団体、9日個人)→全中(8月21〜23日) |
| 夏以降 | 3年生が引退し、1・2年生の新チームに |
| 10月 | 県中学生新人選手権(10月10日) |
| 冬〜春 | インドア大会、都道府県対抗戦の選考会など |
大会の名前や時期は都道府県によって違います。住んでいる都道府県の中体連ソフトテニス専門部のサイトで、その年の大会日程を確認しておきましょう。
3年生の引退後は新チームの時期
夏の大会が終わると3年生が引退し、1・2年生だけの新チームになります。1年生にとっては、試合に出るチャンスが一気に増える時期です。
この時期の目標になるのが新人戦です。たとえば群馬県高崎市の新人大会(2025年度は9月20〜21日)では、出場できるのは2年生以下で、上位チームには県大会の出場権が与えられていました。
大会の種類と全国までの道
全中までは4段階を勝ち上がる
全国中学校ソフトテニス大会(全中)に出るには、多くの地域で次の4段階を勝ち上がります。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 市区町村・地区大会 | 学校の団体・ペアで出場し、都道府県大会の出場権を争う |
| ② 都道府県大会 | 上位がブロック大会へ |
| ③ ブロック大会 | 関東・東海・九州など全国9ブロック。上位が全中へ |
| ④ 全中 | 2026年は8月21〜23日、島根県松江市で開催 |
2026年の全中(第57回)は、日本中学校体育連盟と日本ソフトテニス連盟などが主催し、松江市営庭球場(砂入り人工芝16面)で行われました。種目は団体戦と個人戦(ダブルス)で、どちらも男女別です。試合はすべて7ゲームマッチでした。
全中に出られるのはほんの一握り
全中の出場枠は、ブロックごとに数が決まっています。2026年の大会要項による割り当ては次のとおりです。
| ブロック | 団体戦(チーム) | 個人戦(ペア) |
|---|---|---|
| 北海道 | 2 | 4 |
| 東北 | 2 | 6 |
| 関東 | 4 | 13 |
| 北信越 | 2 | 5 |
| 東海 | 3 | 7 |
| 近畿 | 3 | 8 |
| 中国 | 3 | 6 |
| 四国 | 2 | 5 |
| 九州 | 3 | 8 |
| 開催地 | 1 | 2 |
| 合計 | 25 | 64 |
※男女それぞれの数です。
関東でも団体戦は4チームしか出られません。全中は「ブロック大会で上位に入った学校とペアだけ」が出られる、とても狭い門だと分かります。だからこそ、都道府県大会やブロック大会への出場も、大きな目標になります。
団体戦は3ペア、個人戦は2人1組
全中の団体戦は、ダブルス3ペアによる点取り戦です。登録できる選手は同じ学校の8名以内です。個人戦は同じ学校の2人でペアを組みます。同じ選手が団体戦と個人戦の両方に出ることもできます。
団体戦の勝ち方や試合のルールは、記事末の関連記事でくわしく解説しています。
女子も男子と同じ枠で全国を目指せる
ソフトテニスの大会は、ほとんどが男女別に行われます。全中の出場枠も、男子と女子で同じ数です。2026年の全中では、団体戦はダンロップ、男子個人戦はケンコー、女子個人戦はアカエムのボールが使われました。
新人戦は全中の予選ではない
新人戦は、新チームの力を試す大会です。地区大会から都道府県大会へと進む地域が多いものの、全中の予選ではありません。全中につながるのは、あくまで夏の中総体です。
新人戦の時期や形式は地域によって違うため、各都道府県の中体連・ソフトテニス連盟のサイトで確認しましょう。
中体連以外の全国大会もある
中学生が出られる全国大会は、全中だけではありません。
| 大会 | 時期・会場(確認できた回) | 特徴 |
|---|---|---|
| 都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会 | 第37回:2026年3月27〜28日、三重県伊勢市 | 都道府県の代表チームどうしが戦う。代表は秋〜冬の選考会などで選ばれる(岩手県の例) |
| 全日本中学生クラブソフトテニス選手権大会 | 第1回:2026年11月21〜23日、千葉県白子町 | 地域クラブの中学生による団体戦(2ダブルス・1シングルス)。主催は日本ソフトテニス連盟。出場選手は公認審判員の資格が必要 |
地域クラブからも全中を目指せる
いま、中学の部活動は地域クラブ活動への移行が進んでいます。地域クラブとは、学校の外の団体が運営し、地域の指導者が教えるスポーツ活動です。
2026年の全中の要項にも、地域クラブに所属する中学生の参加条件が書かれています。中体連の予選会への参加が認められていることや、競技団体への登録などが条件です。ただし、地域クラブで全中につながる大会に出た場合、同じ年に学校の部で出ることはできません(その逆も同じ)。どちらで出るかは、早めに指導者と相談しましょう。
前衛・後衛はどうやって決まる?

2つのポジションの役割
ソフトテニスのダブルスは、前衛と後衛の2人で組みます。
| ポジション | 主な役割 | 向いているタイプの目安 |
|---|---|---|
| 前衛 | ネットの近くでボレーやスマッシュを打ち、ポイントを決める | 反応が速い、思い切りがよい |
| 後衛 | コートの後ろでストロークを打ち合い、ラリーを組み立てる | 粘り強い、長く打ち合える |
決め方に全国共通のルールはない
前衛・後衛の決め方に、全国共通のルールはありません。部の人数やペアの組み合わせ、顧問の先生や指導者の方針で決まります。
入部してしばらくは、両方を練習して自分の特徴を知るのがおすすめです。希望がある場合は、理由を添えて先生に伝えると、相談に乗ってもらいやすくなります。
ポジションが決まると、ラケット選びの考え方も変わります。前衛向け・後衛向けのラケットの違いは、記事末の関連記事を参考にしてください。
道具をそろえる時期と費用の目安

そろえる順番
道具は一度に全部そろえなくても大丈夫です。部の指示を聞いてから買うと、むだな出費を防げます。
| 時期 | そろえるもの | ポイント |
|---|---|---|
| 入部直後 | シューズ、練習着、水筒、帽子 | シューズはコートの種類(砂入り人工芝・クレーなど)に合うものを |
| 本格的に練習を始めるころ | ラケット、ラケットケース | 部の指定や、先輩・先生のアドバイスを聞いてから |
| 大会に出る前 | ユニフォーム、ゼッケン | 色やデザインが部で決まっていることが多い |
| 続けてかかる | ガットの張り替え、シューズの買い替え、ボール | ガットは切れたら張り替える |
ラケットは、中学生向けには軽めで扱いやすいモデルから選ぶのが基本です。くわしい選び方は、記事末の関連記事「中学生必見!初心者向けソフトテニスラケットの選び方とおすすめ」で解説しています。
道具以外にかかる費用
道具代のほかに、次のような費用がかかることがあります。
- 部費(学校によって違う)
- 大会の参加料、会場までの交通費
- 遠征や合宿の費用
- 地域クラブに入る場合は、その会費
たとえば2026年の全中では、参加料が選手1人4,000円、熱中症対策費が2,000円でした。地域クラブの会費は、長野市が公表している一覧ではソフトテニスのクラブで月500〜4,500円と幅があります。年間でどれくらいかかるかを、入部時に先生や先輩の保護者に聞いておくと安心です。
中学生が上達するためのポイント

練習時間は「休む日」もセットで考える
上達したいからといって、練習のしすぎは逆効果です。文部科学省が2025年12月に示したガイドラインでは、部活動や地域クラブ活動について、週2日以上の休養日を設け、平日は2時間程度以内、休日は3時間程度以内とされています。
体が大きく成長する中学生の時期は、ケガの予防も大切な練習の一部です。
上達のための4つの習慣
- 素振りで正しいフォームを固める:コートに入れない日も、鏡の前で素振りができます
- ペアと話す時間をつくる:ダブルスは2人の動きが合わないと勝てません。ポイントごとに声をかけ合いましょう
- 審判のやり方を覚える:中学の大会では、選手が審判を担当することがあります。ルールの理解が深まり、試合中の判断も速くなります
- 体づくりを続ける:走る・跳ぶといった基礎体力は、ストロークにもボレーにも生きてきます
部活での練習の組み立て方や、自宅でできる練習、中学生向けの筋トレは、記事末の関連記事にまとめています。
保護者の関わり方
学校によって違うことを確認する
保護者の関わり方は、学校や部によって大きく違います。入部したら、次の点を確認しておきましょう。
- 大会会場への送迎が必要か(現地集合の場合など)
- 保護者の当番や係があるか
- 部費や遠征費の集め方
- 連絡の方法(プリント、連絡アプリなど)
大会情報は中体連の専門部サイトで確認
大会の日程や組み合わせ、結果は、各都道府県の中体連ソフトテニス専門部や、ソフトテニス連盟のサイトに載ることが多いです。応援に行く前に、会場の注意事項(駐車場、応援の場所など)も確認しましょう。
体調と暑さに気を配る
夏の大会は、とても暑い中で行われます。2026年の全中では、熱中症特別警戒アラートが出たときに、冷房のある体育館での実施を検討すると要項に書かれていました。家庭でも、睡眠・食事・水分の3つを整えて送り出してあげてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 中学から始める初心者でもついていけますか?
ついていけます。ヨネックスは、中学生が「ソフトテニスの競技人口の約6割を占める」と説明しており、中学で始める人が多い競技です。入部したての時期は、素振りやボール出しなど基本から練習します。
Q. ソフトテニスの中学生日本一はどうやって決まりますか?
夏の全国中学校ソフトテニス大会(全中)の団体戦・個人戦で、男女それぞれの優勝が決まります。地区・都道府県・ブロック大会を勝ち上がった学校とペアだけが出場します。最新の結果は、大会公式サイトで確認できます。
Q. 新人戦で優勝すると全国大会に出られますか?
新人戦は全中の予選ではありません。全中につながるのは夏の中総体です。ただし、秋〜冬の大会が都道府県対抗全日本中学生大会の代表選考を兼ねる地域もあります。
Q. 前衛と後衛は自分で選べますか?
全国共通の決まりはなく、部の方針で決まります。希望があれば、理由を添えて顧問の先生に伝えてみましょう。
Q. 地域クラブに入っていても全中に出られますか?
条件を満たせば出られます。2026年の全中の要項では、中体連の予選会への参加が認められていることや、競技団体への登録などが条件でした。地域クラブで出た場合、同じ年に学校の部で出ることはできません。
まとめ
- 中学のソフトテニス部は、夏の中総体(地区→都道府県→ブロック→全中)が最大の目標
- 2026年の全中は団体戦が男女各25チーム、個人戦が男女各64ペア。とても狭い門
- 新人戦は1・2年生の大会で、全中の予選ではない
- 前衛・後衛は部の方針で決まる。まずは両方を練習して自分の特徴を知る
- 道具は部の指示を聞いてから少しずつ。年間の費用も入部時に確認する
- 練習は休む日もセットで。保護者は送迎や当番のルールを早めに確認する
まずは、自分の都道府県の中体連ソフトテニス専門部のサイトを開いて、今年の大会日程を見てみましょう。目標の大会が決まると、毎日の練習の意味がはっきりします。

