「部活がない日も練習したいけれど、一人だと何をすればいいか分からない」「壁打ちできる場所が近くにない」。そんな悩みを持つ人は多いはずです。
結論から言うと、一人練習は目的・場所・使える時間の3つで選ぶと迷いません。この記事では、素振り・壁打ち・ボール感覚・フットワーク・イメージトレーニングのやり方と、前衛・後衛別のメニュー、15分・30分・60分の組み方を、器具をほとんど使わない前提でまとめました。
まず結論|一人練習は「目的×場所×時間」で選ぶ
最初に、自分が今いちばん直したいことを1つ決めます。そのうえで、使える場所と時間から練習を選びましょう。
| 直したいこと | 自宅の室内 | 庭・駐車スペース | 壁打ち場・コート | 1回の目安時間 |
|---|---|---|---|---|
| フォームが安定しない | 素振り+動画撮影 | タオル素振り | 壁打ち(ゆっくりのラリー) | 10〜20分 |
| 打点が遅れる・振り遅れる | シャドースイング(足とセット) | ビニール袋素振り | 壁打ち(近い距離から) | 10〜20分 |
| ボールに当たらない・面がぶれる | ボールつき(ラケットで上につく) | ボールつき(地面につく) | 壁打ち(ノーバウンド) | 5〜10分 |
| サーブが入らない | トスだけの練習 | トス+サーブの素振り | 的を決めたサーブ練習 | 10〜15分 |
| 一歩目が遅い | その場のステップ | ラインを使ったステップ | コートでのシャドー | 5〜10分 |
時間はあくまで目安です。週に1回まとめて長くやるより、短くても回数を重ねるほうが、感覚を忘れにくく習慣にもなりやすいでしょう。
一人練習でできること・できないこと
一人練習の強みは、同じ動きを自分のペースで何度もくり返せることです。チーム練習ではボール出しの順番待ちがありますが、一人なら素振り100回もすぐにできます。
一方で、次のことは一人では身につきにくい部分です。
- 相手の打球の速さや回転への対応
- ペアとの連携(前衛と後衛の動き方)
- 試合の緊張感の中での判断
そのため、一人練習は「チーム練習でできなかったことの復習」と「フォームの土台づくり」に使うのが効果的です。「今日の部活でバックが振り遅れた」など、課題を1つ持ち帰ってから取り組みましょう。
素振り|効果を上げるやり方と3つの工夫

素振りは、場所を選ばず一人でできる基本の練習です。ただし、腕だけで回数をこなす素振りは、かえってクセをつける原因になりかねません。
基本の素振りの手順
- 構えから始め、足を動かして打点に入るところまでを1回とする
- テークバック→体重移動→スイング→フォロースルーまで、毎回同じ流れで振る
- 振り終わったら、すぐに構えに戻る
- フォア・バック・ボレー・サーブなど、今日直したい1種類に絞る
回数より、1回ずつ形を確かめることを優先しましょう。たとえば「10回振ったら1回動画で確認」のように区切ると、雑になりにくくなります。
工夫1|タオル素振り
ラケットの代わりにタオルの端を持って振る方法で、自主練の工夫としてよく紹介されます。タオルは軽いので、腕の力に頼らず体の回転で振る感覚を意識するきっかけになります。振り方によってタオルのしなり方が変わるため、腕だけで振っていないかを確かめる目安にもなるでしょう。
ラケットよりも家具や壁にぶつける心配が少ないので、自宅での素振りに取り入れやすい方法です。濡れたタオルは重くなりすぎるので、乾いたものを使いましょう。
工夫2|ビニール袋素振り
袋を手に持ったり、ラケットの先に付けたりして振る方法です。袋が空気を受けるため、スイングの方向や振り抜きの勢いを、音や手ごたえで感じやすいという人もいます。面の向きがぶれていないかを意識しながら振ってみましょう。
袋が破れて飛ぶことがあるので、周りに人がいない場所で行い、使い終わったら必ず片付けましょう。小さな子どもがいる家庭では、手の届かない場所にしまってください。
工夫3|鏡・動画でフォームを確認する
自分のイメージと実際の動きは、思った以上にずれています。鏡やガラスに映すか、スマートフォンで横と後ろの2方向から撮影して確認しましょう。
チェックするポイントは、次の3つに絞ると見やすくなります。
- 打点が体の前にあるか
- テークバックで肩が入っているか
- フォロースルーで振り切れているか
指導者や上手な先輩のフォームと見比べると、違いがはっきりします。
壁打ち|できる場所の探し方とマナー

壁打ちは、一人で本物のボールを連続して打てる数少ない練習です。ただし、どこでもできるわけではありません。
壁打ちできる場所の探し方
- 市区町村の公式サイトで「壁打ち」「公園」「テニス」と検索する
- 地域の運動公園やテニスコートに、壁打ち板があるか問い合わせる
- 学校の壁を使う場合は、必ず顧問や先生の許可をとる
自治体によっては、予約なしで自由に使える壁打ち場を案内しています。一方で、バスケットボールなどほかの競技と同じコートを共用する施設もあり、時期によって使えない場合もあります。利用できる時間や決まりは施設ごとに違うため、出かける前に公式サイトや現地の掲示で最新の情報を確かめてください。
住宅の壁や、壁打ちが許可されていない公園の壁で打つのはやめましょう。音や跳ね返ったボールが、トラブルの原因になります。
壁打ちのマナー
たとえば東京都大田区の公園案内では、壁打ちについて次のような注意が示されています。
- ほかの利用者とゆずり合って使う
- 夜間や早朝は音が響くので近所に配慮する
- フェンスや支柱などの設備に、ボールを当てない
- チーム練習など、団体での独占利用はしない
ルールの中身は施設ごとに異なります。実際に使う場所の掲示や案内に従いましょう。
壁打ちのメニュー例
| メニュー | やり方 | ねらい |
|---|---|---|
| ゆっくりラリー | 壁に近い位置から、ワンバウンドで軽く打ち続ける | 打点とフォームの安定 |
| フォア・バック交互 | 1球ごとにフォアとバックを打ち分ける | 切り替えとフットワーク |
| ノーバウンドボレー | 壁の近くで、ノーバウンドで当て続ける | 面の安定・反応(前衛向け) |
| 的当てサーブ | 壁にテープなどで目印を決め、そこを狙う | サーブのコントロール |
最初から強く打つと、ボールが速く戻ってきて続きません。続けられる強さで、連続回数を伸ばすことを目標にしましょう。目印にテープを貼る場合は、施設のルールで認められているか確認してください。
壁打ちと実際のコートの違い
壁打ちは便利な一方で、コートでのラリーとは条件が違います。違いを知っておくと、練習の目的がぶれません。
- 距離が短い:相手コートより壁が近いため、ボールが早く戻る。準備を早くする練習にはなるが、深いボールを打つ感覚はつかみにくい
- 高いボールが練習しにくい:ロブのような山なりのボールは、壁の高さや形によっては続けにくい
- アウトを気にしなくてよい:コースより、フォームと足の動きに集中できる
壁打ちでは「フォームと連続性」、コートでは「深さとコース」と、役割を分けて考えるのがおすすめです。
壁打ちができないときの自宅での代わり
壁打ちができない日は、ボールを使う練習を次のように置き換えます。
- ボールつき:ラケット面を上に向け、ボールを一定の高さでつき続ける。慣れたら表と裏を交互に使う
- トスだけの練習:サーブのトスを打たずに上げ、同じ場所に落ちるか確かめる
- シャドースイング:ボールがある想定で、足の動きからスイングまでを行う
家の中でボールを使うときは、照明や窓、家具から離れた場所を選びましょう。集合住宅では、床にボールをつく音が下の階に響きます。室内では、ラケットで上につく練習にとどめるのが無難です。
ボール感覚とフットワークの練習

ラケットとボールの扱いに慣れると、ラリーでの小さなズレを自分で直しやすくなります。
| 練習 | やり方の例 | 進め方 |
|---|---|---|
| ボールつき(上) | ラケット面でボールを上につく | 連続回数を記録し、少しずつ伸ばす |
| ボールつき(地面) | ラケットでボールを地面につく | 歩きながらでもできるようにする |
| 面の切り替え | 表と裏で交互につく | 面の向きを素早く変える感覚 |
| ラインステップ | 地面の線をまたいで前後左右にステップ | 小さく速い足の動き |
| シャドーフットワーク | 構え→一歩目→打つ動作→戻るをくり返す | 試合の動きに近づける |
フットワークは、滑りにくい場所で、テニスシューズをはいて行いましょう。体幹や筋力のトレーニングも一人でできますが、この記事ではあつかいません。
イメージトレーニングと動画で学ぶ
体を動かせない日や、雨の日にできるのがイメージトレーニングです。素振りや壁打ちと並んで、一人練習の定番としてよく挙げられます。
- 上手な選手の動画を見る:大会の映像などで、打点の位置・打つ前の足の動き・打ったあとの戻り方の1点に絞って見る
- 自分のプレーを思い描く:目を閉じて、サーブから3球目までの流れなど、短い場面をくり返しイメージする
- 見たあとに素振りで再現する:動画で気づいた動きを、その場でシャドースイングに落とし込む
ただ眺めるだけだと、記憶に残りにくくなります。「今日は前衛のポジションの取り方だけ見る」のように、見るポイントを1つ決めるのがコツです。
前衛・後衛別|一人でできる練習

ポジションによって、優先したい練習は変わります。
前衛の一人練習
前衛は、素早い反応と面の安定が大切です。
- 壁の近くでノーバウンドボレーを続ける
- ボレーの素振りを、「構え→一歩踏み出す→面を合わせる」の流れで行う
- スマッシュの素振りを、下がるステップとセットで行う
- 左右への一歩目のシャドーフットワーク
前衛のボレーは、大きく振らず面を合わせる動きが基本です。素振りでも、振りすぎないことを意識しましょう。
後衛の一人練習
後衛は、長いラリーでも崩れないストロークの安定が大切です。
- 壁打ちで、フォア・バックの連続回数を伸ばす
- ストロークの素振りを、横への移動から打点に入る流れで行う
- 動画で、打点とフォロースルーをチェックする
- サーブのトスと素振りをセットで行う
後衛のストロークは、打つ前の足の動きに左右されやすいショットです。足を止めたまま振る素振りは減らすのがおすすめです。
時間別|一人練習メニューの組み方
使える時間に合わせて、メニューを組んでみましょう。どれも一例なので、自分の課題に合わせて入れ替えてください。
15分メニュー(自宅・部活がない平日に)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 3分 | ストレッチ・軽い足踏み |
| 7分 | 今日の課題の素振り(タオルまたはラケット) |
| 5分 | ボールつき・トスの練習 |
30分メニュー(庭や公園で)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 5分 | ウォーミングアップ・ラインステップ |
| 10分 | 素振り(動画で確認しながら) |
| 10分 | サーブのトス+素振り |
| 5分 | シャドーフットワーク・ストレッチ |
60分メニュー(壁打ち場で)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10分 | ウォーミングアップ・素振り |
| 15分 | ゆっくりラリー(フォア・バック) |
| 15分 | 前衛はボレー、後衛はフォア・バック交互 |
| 10分 | 的当てサーブ |
| 10分 | 整理運動・その日の記録 |
疲れてフォームが崩れてきたら、時間が残っていても終わりにしましょう。崩れた形でくり返すと、そのクセが残ってしまいます。痛みが出たときは、すぐに中止してください。
一人練習を続けるコツ
一人練習は、続かないことがいちばんの壁です。次の3つを試してみてください。
- 記録をつける:ボールつきや壁打ちの連続回数、素振りの回数をメモする。数字が伸びると続けやすい
- 課題を1つに絞る:「今週はバックの打点だけ」と決めると、やることに迷わない
- チーム練習で確かめる:一人で練習したことが、ラリーで使えたかを部活で確認する
よくある質問
Q. ソフトテニスは一人で上達できますか?
フォームの安定やボール感覚は、一人練習でも伸ばせます。ただし、相手の打球への対応やペアとの連携はチーム練習が必要です。一人練習は、チーム練習の復習と土台づくりに使いましょう。
Q. 素振りは1日何回やればいいですか?
決まった回数はありません。回数よりも、1回ずつ正しい形で振れているかが大切です。最初は少ない回数から始め、動画でフォームを確かめながら増やしていきましょう。
Q. 家で壁打ちをしてもいいですか?
住宅の壁での壁打ちは、音や振動が家族や近所の迷惑になりやすいため、おすすめしません。家では、ラケットで上につくボールつきやトスの練習、素振りに置き換えるのが無難です。
Q. 壁打ちできる場所はどうやって探せばいいですか?
市区町村の公式サイトで「壁打ち」「公園」などと検索すると、案内が見つかることがあります。利用時間や決まりは施設ごとに違うので、出かける前に最新の情報を確認してください。
Q. 前衛と後衛で、一人練習は変えたほうがいいですか?
変えるのがおすすめです。前衛はボレーの反応と一歩目、後衛はストロークの安定と足の動きを優先しましょう。サーブとトスの練習は、どちらのポジションにも共通して役立ちます。
まとめ
- 一人練習は、目的・場所・時間の3つで選ぶ
- 素振りは足とセットで行い、タオル・ビニール袋・動画で質を上げる
- 壁打ちは、認められた場所で、施設のルールに従って行う
- 壁打ちできない日は、ボールつき・トス・シャドー・イメージトレーニングで代わりにする
- 前衛は反応と一歩目、後衛はストロークの安定を優先する
まずは今日の部活で気になった課題を1つ決め、15分メニューから始めてみてください。ボールつきの連続回数を記録しておくと、1週間後に自分の変化を数字で確かめられます。

