「試合の後半になると足が止まる」「ボレーで一歩目が出ない」「筋トレをしたいけど、中学生がやっても大丈夫?」。ソフトテニスの体づくりで、こんな悩みを持つ人は多いはずです。

結論から言うと、ソフトテニスの筋トレは下半身・体幹・肩まわりを、自分の体重(自重)で鍛えるのが基本です。この記事では、家でもできる自重メニュー8種目、前衛・後衛で鍛えたい動きの違い、週の組み方、中学生が気をつけたい注意点まで整理しました。器具の選び方は別記事に任せ、ここでは器具なしで始められる内容に絞っています。

まず結論|鍛える場所は「下半身・体幹・肩まわり」

ソフトテニスのプレーと、鍛えたい部位の関係を表にまとめました。

鍛える部位プレーとの関係代表的な自重種目
下半身(太もも・お尻・ふくらはぎ)フットワーク、打つときの踏ん張り、一歩目スクワット、ランジ、カーフレイズ
体幹(お腹・背中・わき腹)ストロークの体のひねり、打った後の姿勢の安定プランク、サイドプランク、バードドッグ
肩まわり・腕サーブ・スマッシュの振り上げ、ボレーの面の安定膝つき腕立て伏せ

腕の力だけで速いボールを打とうとすると、フォームが崩れたり、肩やひじに負担が集中したりします。ボールの威力は、足で地面を押し、体幹で回転を伝えることで生まれると考えましょう。

筋トレの目的は、次の3つに整理できます。

  1. 動ける足をつくる:前後左右に動き、止まって打ち、また戻る。この繰り返しに耐える下半身をつくります
  2. 体の軸を安定させる:走りながら打っても上半身がぶれにくくなり、打点とコントロールが安定します
  3. ケガをしにくい体にする:筋力のバランスが整うと、特定の部位だけに負担がかかりにくくなります

「筋肉を大きくする」ことよりも、プレーで使える体にすることを目標にしましょう。

前衛と後衛で求められる動きの違い

低いバウンドのボールをフォアハンドで打つソフトテニスプレーヤー。後衛は下半身の踏ん張りが求められる

ダブルスが中心のソフトテニスでは、前衛と後衛で役割が大きく変わります。前衛はボレーやスマッシュでポイントを決める役割、後衛はストロークのラリーでチャンスを作る役割です。そのため、筋トレで意識したい動きも少し変わります。

前衛後衛
主なプレーボレー、スマッシュ、ポーチストローク、ロブ、深いラリー
よく使う動き一歩目の反応、横への飛びつき、後ろへ下がってジャンプ左右に走って止まる、体をひねって打つ、長いラリーを走り切る
意識したい体の力瞬発力、横方向の踏み込み、肩まわりの安定片脚での踏ん張り、体幹の回転、下半身の持久力
起こりやすい悩み一歩目が遅い、スマッシュで下がりきれない後半に足が止まる、走らされると打球が浅くなる

まずは後で紹介する基本の8種目を全員共通で行い、そこにポジション別の種目を足すのがおすすめです。ポジションが決まっていない初心者は、基本メニューだけで十分です。

家でもできる基本の自重メニュー8種目

体育館でラケット競技をするプレーヤーの足元

器具を使わず、畳1枚ほどのスペースでできる種目を選びました。

#種目主に鍛える部位回数の例
1スクワット太もも・お尻10回×2セット
2フォワードランジ太もも・お尻左右各8回×2セット
3サイドランジ太ももの内側・お尻左右各8回×2セット
4カーフレイズふくらはぎ15回×2セット
5プランクお腹・体幹全体20秒×2セット
6サイドプランクわき腹左右各15秒×2セット
7バードドッグ背中・お尻左右各8回×2セット
8膝つき腕立て伏せ胸・肩・腕8回×2セット

表の回数・セット数は、初めて取り組む人向けの一例で、決まった基準ではありません。大切なのは回数よりも、最後までフォームが崩れないこと。楽にできるようになったら、回数を少しずつ増やしましょう。

下半身の4種目

  • スクワット:足を肩幅に開き、お尻を後ろへ引くようにしゃがみます。ひざが内側に入らないよう、つま先と同じ向きに曲げます。ストロークの「沈んで打つ」姿勢の土台です
  • フォワードランジ:片足を大きく前に踏み出し、腰を落として戻ります。低いボールを拾う踏み込みに近い動きです
  • サイドランジ:横に大きく踏み出し、片脚に体重を乗せて戻ります。左右に振られたときの止まる力をつけます
  • カーフレイズ:かかとを上げ下げします。細かいステップや、スプリットステップを支える部位です

体幹の3種目

  • プランク:ひじとつま先で体を支え、頭からかかとまで一直線に保ちます。腰が反ったり、お尻が上がったりしないよう注意します
  • サイドプランク:横向きでひじと足の側面で支えます。体のひねりを止める、わき腹の力を鍛えます
  • バードドッグ:四つんばいから、右手と左足(反対も)を同時に伸ばします。体がぐらつかないよう、ゆっくり行います。腰への負担が少ない背中の種目です

上半身の1種目

  • 膝つき腕立て伏せ:ひざをついて行う腕立て伏せです。胸を床に近づけるとき、体を一直線に保ちます。慣れたら、つま先をついた通常の腕立て伏せに進みましょう

どの種目も、力を入れるときに息を止めないことが大切です。息を止めて力むと、血圧が急に上がりやすくなります。

前衛・後衛別の追加メニュー

基本の8種目に慣れたら、ポジションに合わせて種目を足します。ここでの回数も例なので、フォームが保てる範囲で調整してください。

前衛:素早い反応と横への踏み込み

種目やり方の例プレーとのつながり
サイドステップ+ランジ横に2歩ステップし、3歩目で大きく踏み込んで止まる。左右交互に行うポーチやボレーで横に飛び出す動き
後ろ向きステップ体を横向きにしたまま素早く後ろへ下がり、最後に軽く跳ぶ姿勢をとるスマッシュで下がりながら構える動き
腕回し(肩甲骨まわし)ひじを曲げて肩に手を置き、ひじで大きな円を描く。前後各10回スマッシュ・サーブの振り上げ前の準備

スマッシュは「腕で打つ」より、下がって、体をひねって、上に伸びる一連の動きが大切です。下半身と体幹の基本メニューを続けることが、スマッシュの安定にもつながります。

後衛:片脚での踏ん張りと体のひねり

種目やり方の例プレーとのつながり
ランジ+ツイストランジで腰を落とした姿勢のまま、上半身を前に出した足の側へひねる踏み込んで体を回すストロークの動き
連続サイドランジ左右へ交互にサイドランジを続け、低い姿勢を保つ左右に走らされても低い姿勢で打つ力
片脚バランス片脚で立ち、反対の足を前後に軽く振っても体がぶれないようにする走りながら打つ、片脚で止まる場面の安定

長いラリーを走り切る持久力は、筋トレだけでは補いにくい部分です。コートでのフットワーク練習やランニングと組み合わせましょう。

+αで足したい2つ(手首・前腕と瞬発力)

上位のトレーニング解説でもよく取り上げられる、次の2つも余裕が出たら加えてみてください。どちらも8種目とは別の「おまけ」です。

  • 手首・前腕:手を前に伸ばし、指を大きく開く・強く握るを繰り返す(グーパー運動)。インパクトでラケット面がぶれにくくなります。強く鍛えすぎず、軽い負荷で行いましょう
  • 軽いジャンプ(縄跳びなど):一歩目やスプリットステップのリズムづくりに役立ちます。ただし着地の衝撃はひざやすねの負担になるため、短い時間から始め、ひざに痛みがある日は行わないこと。集合住宅では屋外で行いましょう

頻度と週の組み方

体育館のベンチに立てかけられたソフトテニスラケット。休養日を挟んで練習を組む

筋トレは毎日がんばるより、休む日を入れたほうが効率的です。同じ部位をしっかり鍛えたら、次に同じ部位を鍛えるまで48〜72時間ほどあけるのが目安とされています(健康長寿ネット)。

また、スポーツ庁・文化庁が2025年12月に示した部活動のガイドライン(部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン)では、週2日以上の休養日を設けることが示されています。筋トレも、この休養日を削らない範囲で組み込みましょう。具体的な活動日は学校やクラブのルールに従ってください。

曜日部活筋トレの例
月練習練習後に基本メニュー(下半身+体幹)
火練習なし(ストレッチのみ)
水休養日なし
木練習練習後に基本メニュー+ポジション別メニュー
金練習なし(ストレッチのみ)
土練習・試合なし
日休養日体調がよければ体幹の3種目だけ軽く

週2〜3回、1回15〜20分ほどから始めると続けやすいでしょう。大会前の週は回数を減らし、疲れを残さないようにします。

1回の流れ

  1. ウォームアップ(5分ほど):その場足踏み、腕回し、軽いスクワットで体を温める
  2. メイン(10分ほど):基本メニュー、またはポジション別メニュー
  3. クールダウン(5分ほど):太もも・ふくらはぎ・お尻・肩のストレッチ

技術練習の前に筋トレで疲れてしまうと、フォームが崩れやすくなります。筋トレは練習の後か、練習のない時間に行うのがおすすめです。

中学生が筋トレをするときの注意点

中学生は、身長が大きく伸びる成長期にあたります。成長期の骨は成長途中で、同じ動きの繰り返しや、急な負荷の増加による障害が起こりやすい時期とされています。ひざ下が痛むオスグッド病や、腰の疲労骨折である腰椎分離症は、成長期のスポーツ選手に多い障害として知られています。

中学生が筋トレをするときは、次の点を守りましょう。

注意点具体的には
重い負荷をかけないダンベルやバーベルより、自重の種目から始める
回数よりフォーム崩れたフォームで回数を重ねない。鏡や動画で確認する
一気に増やさない回数やセット数は、少しずつ増やす
痛みは我慢しない痛みや違和感が出たらその日は中止。続く場合は整形外科を受診する
休養日を守る部活の休養日に筋トレを詰め込まない

特に、ひざの下や腰の痛みが続くときは、「筋肉痛だろう」と自己判断せず、早めに整形外科に相談してください。持病がある人や、医師から運動を制限されている人は、始める前に医師に確認しましょう。指導者や保護者は、回数を競わせる練習にしないことも大切です。

ケガを防ぐポイントと家でやるときの注意

審判台の見える屋外のテニスコート

筋トレは、やり方を間違えるとケガの原因にもなります。次の4つを習慣にしましょう。

  • 体を温めてから始める:冷えたまま急に動くと、筋肉や関節を痛めやすくなります。冬場は特に念入りに
  • ゆっくり動く:反動を使わず、1回ずつ動きをコントロールします
  • 終わったらストレッチ:太ももの前と裏、ふくらはぎ、お尻、肩まわりを伸ばします
  • よく寝て、しっかり食べる:筋肉は休んでいる間に回復します。睡眠と3食の食事も体づくりの一部です

自宅で行うときは、周りの安全にも気を配ります。家具やラケットから離れ、手足を伸ばしても当たらないスペースを確保しましょう。フローリングで滑りやすい場合はヨガマットなどを敷き、集合住宅ではジャンプする種目を避けます。

チューブやメディシンボールなどの器具は、自重メニューに慣れてから考えても遅くありません。器具の選び方は、記事末の関連記事で解説しています。

よくある質問

Q. ソフトテニスの筋トレは毎日やったほうがいいですか?

毎日でなくて大丈夫です。 同じ部位を鍛えたら、48〜72時間ほどあけるのが目安とされています。週2〜3回、部活の休養日を削らない範囲で続けましょう。毎日行いたい場合は、下半身の日と体幹の日に分ける方法もあります。

Q. 中学生が筋トレをすると、身長が伸びなくなりますか?

自重の筋トレをすると身長が伸びなくなる、と言い切れる根拠はありません。ただし、成長期は骨が成長途中のため、重い負荷を繰り返しかけるのは避けましょう。ひざや腰に痛みが続く場合や不安がある場合は、整形外科に相談してください。

Q. 家でできるソフトテニスの筋トレは?

スクワット、ランジ、カーフレイズ、プランク、サイドプランク、膝つき腕立て伏せなどの自重種目は、畳1枚ほどのスペースでできます。集合住宅では、ジャンプする種目を避けると安心です。

Q. 前衛と後衛でメニューを変えたほうがいいですか?

基本のメニューは共通で大丈夫です。そのうえで、前衛は横への踏み込みや後ろへ下がる動き、後衛は片脚での踏ん張りや体のひねりを足すと、プレーにつながりやすくなります。

Q. 筋トレは練習の前と後、どちらにやるべきですか?

練習の後か、練習のない時間がおすすめです。練習前に筋トレで疲れると、技術練習でフォームが崩れやすくなります。練習前は、軽い足踏みや腕回しなどのウォームアップに留めましょう。

まとめ

  • ソフトテニスの筋トレは、下半身・体幹・肩まわりを自重で鍛えるのが基本
  • 全員共通の基本メニュー8種目に、前衛は横の踏み込みと後ろへの動き、後衛は片脚の踏ん張りと体のひねりを足す
  • 頻度は週2〜3回が目安。同じ部位は48〜72時間ほどあけ、部活の休養日(週2日以上)は削らない
  • 中学生は成長期。重い負荷を避け、フォーム優先、痛みは我慢しない
  • 体を温めてから始め、終わったらストレッチ。睡眠と食事も体づくりの一部

まずは今日、スクワット10回とプランク20秒から始めてみてください。2週間続けてフォームが安定したら、ポジション別の種目を1つ足していきましょう。

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