「子どもの試合、どこまで声を出していいの?」「ほかの保護者に迷惑をかけないか心配」。ソフトテニスの大会に初めて応援に行く保護者の方は、こんな不安を持っているのではないでしょうか。
結論から言うと、保護者の応援は「ラリー中は静かに、ポイント間に拍手」「応援席からアドバイスしない」の2つを守れば大きく外れません。この記事では、日本ソフトテニス連盟の「ソフトテニス マナーBOOK」をもとに、観戦・応援のマナー、会場で迷惑になりやすい行動、試合前後の子どもへの声かけのコツをまとめました。
まず結論|保護者の応援で守りたい3つの基本
ソフトテニスの観戦マナーは、次の3つに集約できます。
| 基本 | 具体的な行動 | 理由 |
|---|---|---|
| ①ラリー中は静かに | 声や拍手はポイントが決まってから | 選手の集中と、審判のコールを妨げないため |
| ②応援席から指示しない | 「前に出て」「ロブ!」などは言わない | 応援席からのアドバイスはマナー違反で、大会によっては注意・退場の対象 |
| ③相手にも敬意を | 相手のミスを喜ばず、好プレーには拍手 | 応援は味方を励ますもので、相手を責めるものではないため |
この3つは、日本ソフトテニス連盟が発行する「ソフトテニス マナーBOOK」の「観客・応援者」のページにも書かれている内容です。マナーBOOKは、選手・監督・審判だけでなく、観客や保護者を含む「ソフトテニスに関わる全ての人」に向けたガイドです。
試合中の応援マナー|連盟の「マナーBOOK」で確認

マナーBOOKでは、試合中の観客・応援者のマナーとして、次の項目を挙げています(要約)。
- インプレー中や審判のコール時は静かにする
- 応援席から選手へのアドバイスはしない
- 審判や対戦相手を責めるような発言はしない
- 相手のミスに対する拍手や、喜びを表す大きな声は控える
- 傘を使う場合は、黒色系で反射の少ないものを使う
- 写真・ビデオ撮影は主催者の指示に従う。フラッシュやストロボは使わない
- 好プレーには、敵味方なく拍手を送る
- 複数で応援するときは、ほかの観客の迷惑にならないようにする
ここからは、保護者が特に迷いやすいポイントを掘り下げます。
声を出していいタイミング・控えるタイミング
声を出してよいかどうかは、「ボールが動いているか」で判断するとわかりやすくなります。
| 場面 | 応援 | ポイント |
|---|---|---|
| サーバーが構えてから、ラリーが終わるまで | ✕ 静かに | 声・拍手・物音を立てない |
| 審判がカウントをコールしているとき | ✕ 静かに | コールが聞こえないと選手が困る |
| ポイントが決まった直後 | ○ 拍手・短い声 | 「ナイスショット」など短く |
| ゲームの間・チェンジサイズ | ○ 拍手 | 長い声かけや指示はしない |
| 試合終了後 | ○ 拍手 | 勝敗に関係なく両ペアに拍手 |
なお、太鼓や笛などの鳴り物を使った応援は禁止されています。メガホンやペットボトルを打ち鳴らすなど、大きな音の出る応援も避けましょう。
応援席からのアドバイスは「応援」ではない
保護者がいちばんやってしまいがちなのが、応援席からの指示です。「もっと前!」「次はロブ!」「足動かして!」といった声は、本人は応援のつもりでも、ルール上は選手へのアドバイス(コーチング)と受け止められることがあります。
ソフトテニスでは、アドバイスできるのは決められた人が、決められたタイミング・場所で行うのが原則です。マナーBOOKの監督・コーチ向けのページでも、「コートの外からのアドバイス」「インプレー中のアドバイス」「サインプレー」はやめるよう書かれています。指導者でさえ控えることを、応援席の保護者がしてはいけない、と考えるとわかりやすいでしょう。
ジェスチャーやサインで伝えるのも同じです。試合中の作戦は、ペアとベンチの監督に任せましょう。
相手のミスを喜ばない
相手のダブルフォルトやアウトで点が入ると、思わず「やった!」と声が出てしまうことがあります。しかし、相手のミスに拍手したり大喜びしたりするのは、マナーBOOKでも控えるよう書かれている行動です。
| 避けたい反応 | 言い換え・代わりの行動 |
|---|---|
| 相手のミスに拍手・歓声 | 静かに次のポイントを待つ |
| 「ラッキー!」 | (声に出さない) |
| 判定に「今の入ってる!」と叫ぶ | 判定は審判に任せる |
| 相手選手の名前や特徴を口にする | 味方の名前を呼んで励ます |
逆に、相手チームのすばらしいプレーには拍手を送ってかまいません。マナーBOOKにも「好プレーには、敵味方なく、拍手を送りましょう」とあります。
日傘・撮影・SNSの注意点
屋外の大会では日傘を使う保護者も多くいます。マナーBOOKでは、傘を使う場合は「黒色系で反射性の少ない物」を使うよう求めています。白や銀色の傘は光を反射し、選手がボールを見失う原因になるためです。
写真・動画の撮影は、主催者の指示に従うのが基本です。フラッシュは使わず、撮影禁止のアナウンスがあれば従いましょう。撮った動画をSNSに投稿する場合は、相手選手やほかの子どもが写り込むため、より慎重さが必要です。大会によっては、動画を勝手にSNSに上げないよう要項で求めている例もあります。
大会会場でのマナー|場所取り・テント・ゴミ

マナーBOOKは、試合中だけでなく会場でのふるまいにも触れています。「会場に、そして観客相互に思いやり」が合言葉です。
- 駐車・駐輪は指定の場所に:会場周辺の路上駐車は、地域の方の迷惑になります。乗り合わせも検討しましょう
- 観客席や通路の占拠をしない:シートを敷いたり荷物を置いたりして、席を広く取るのは控えます。三脚を通路で使うのもNGです
- 開場時に走って場所取りをしない:危険なので控えるよう明記されています
- テントは許可を取って設置する:プライベートテントは大会本部の許可を得て、支障のない場所に風対策をして立てます
- 喫煙は指定場所で:近くに子どもがいる場合は、喫煙場所でも控えるよう求めています
- ゴミは持ち帰る:自分のゴミはもちろん、周囲のゴミも拾います。マナーBOOKの表紙にも「来た時よりも美しく!」とあります
保護者の会場マナーは、そのまま学校やチームの評判につながります。「〇〇中の保護者はマナーがいい」と思われることは、選手にとっても誇りになります。
保護者がやりがちなNG行動7つ

ルールで細かく決まっていなくても、次のような行動は周りから「マナーが悪い」と受け止められがちです。悪気なくやってしまうものばかりなので、事前にチェックしておきましょう。
| NG行動 | なぜ問題か | OK行動 |
|---|---|---|
| ①ラリー中に名前を叫ぶ | 選手の集中を切らす | ポイント後に拍手 |
| ②応援席から作戦を指示する | アドバイスと受け止められる | 作戦は監督・ペアに任せる |
| ③判定に声を上げる | 審判への不服と受け取られる | 判定は審判に任せる |
| ④相手のミスで盛り上がる | 相手を不快にする | 静かに次のポイントを待つ |
| ⑤フェンスに張りついて観戦 | 選手や審判の視界に入る | 決められた応援場所から見る |
| ⑥保護者同士の雑談で盛り上がる | 周りの観戦の妨げになる | 試合中は会話を控えめに |
| ⑦負けた直後に反省会をする | 子どもが一番つらい時間 | まずはねぎらう |
特に⑤は見落としがちです。コートのすぐ後ろのフェンス際は、選手の視界に入りやすく、ボールが飛んでくる危険もあります。応援場所が決められている大会では、その場所から応援しましょう。
子どもへの声かけ|試合前・試合中・試合後のコツ

保護者の「応援」は、応援席での拍手だけではありません。家庭での声かけも、子どもにとって大きな支えになります。場面ごとのコツをまとめました。
試合前|結果より「いつも通り」を伝える
試合前は、「勝ってね」「絶対に負けられないよ」といった結果を求める言葉より、「いつも通りでいいよ」「楽しんできてね」と伝えるほうが、子どもは落ち着いて試合に入れます。
準備面では、前日までに持ち物と集合時間を一緒に確認しておくと安心です。当日の朝に慌てると、それだけで気持ちが落ち着かなくなります。
試合中|表情と拍手で伝える
試合中、保護者ができるのは拍手と表情だけです。ミスをしたときにため息をついたり、頭を抱えたりする姿は、意外と選手から見えています。どんな展開でも、落ち着いた表情で見守りましょう。
試合後|まずはねぎらい、振り返りは本人のペースで
試合後の第一声は、勝っても負けても「お疲れさま」がおすすめです。
| 場面 | 避けたい声かけ | おすすめの声かけ |
|---|---|---|
| 負けた直後 | 「なんであそこで攻めなかったの」 | 「お疲れさま。最後まで粘ってたね」 |
| 勝った直後 | 「次も勝たないとね」 | 「おめでとう。○○のショット、よかったね」 |
| 帰りの車の中 | 試合内容のダメ出し | 本人が話し始めるまで待つ |
技術的な振り返りは、部活動の顧問やコーチの役割です。保護者は「見ていたよ」と伝え、良かったプレーを具体的にほめることに徹すると、子どもは安心して次の練習に向かえます。勝敗だけでなく、できるようになったことに目を向けると、子どもの成長も実感しやすくなります。
大会ごとの決まりは必ず確認する
ここまで紹介したのは一般的なマナーです。実際の大会では、主催者が独自の決まりを設けていることがあります。
たとえば、埼玉県の中学校新人大会(令和8年度)の要項では、保護者の応援について次のように定められていました。
- 保護者の応援は拍手のみで、声は出さない
- アドバイスと受け取られる声がけは、注意や退場の対象になる
- フラッシュは禁止
- 撮影した動画を勝手にSNSに上げない
このように、「保護者は声を出してはいけない」と決めている大会もあれば、ポイント間の声援を認めている大会もあります。応援できる場所、テントの可否、撮影のルールもさまざまです。
大会の決まりは、大会要項や顧問の先生・チームからの連絡で確認できます。初めての大会では、ほかの保護者や保護者会の役員の方に聞いておくと安心です。
観戦の持ち物・服装チェックリスト
屋外の大会は、朝から夕方まで1日がかりになることも少なくありません。保護者の持ち物と服装の目安をまとめました。
| 持ち物 | ポイント |
|---|---|
| 日傘・帽子 | 日傘は黒色系で反射の少ないもの |
| 飲み物 | 自販機が混む・売り切れることもある |
| 昼食・軽食 | 会場周辺に店がないことも多い |
| 折りたたみイス | 使用可否は会場・大会のルールに従う |
| タオル・日焼け止め | 夏場は冷却グッズもあると安心 |
| 防寒着・ブランケット | 春・秋の大会は朝夕が冷え込む |
| レインウェア | 傘をさせない応援場所もある |
| ゴミ袋 | ゴミは持ち帰りが基本 |
服装は、動きやすい服と歩きやすい靴が基本です。冬の大会では、長時間じっと座って観戦するため、選手よりも保護者のほうが寒さを感じやすくなります。重ね着で調整できるようにしておきましょう。
よくある質問
Q. 保護者は声を出して応援してもいいですか?
大会の決まりによります。ポイント間の拍手や「ナイスショット」などの短い声援を認めている大会もあれば、「保護者は拍手のみ」と決めている大会もあります。どの場合も、ラリー中の声、判定へのアピール、選手への指示は控えましょう。
Q. 子どもにアドバイスしたくなったらどうすればいいですか?
試合中は我慢し、試合後に本人が話したくなったタイミングで聞き役になるのがおすすめです。技術的なアドバイスは、チームの監督やコーチに任せましょう。応援席からの声かけは、アドバイスと受け取られて注意を受けることがあります。
Q. 相手チームのナイスプレーに拍手してもいいですか?
拍手してかまいません。日本ソフトテニス連盟のマナーBOOKにも「好プレーには、敵味方なく、拍手を送りましょう」とあります。
Q. 白い日傘を使ってもいいですか?
避けたほうが安心です。マナーBOOKでは、傘を使う場合は黒色系で反射性の少ないものを使うよう求めています。光の反射で選手がボールを見失うことがあるためです。
Q. 試合の写真や動画を撮ってもいいですか?
主催者の指示に従ってください。撮影が認められている場合でも、フラッシュは使わず、ほかの観客の視界をさえぎらない場所から撮りましょう。SNSに投稿する場合は、ほかの選手が写り込んでいないかも確認が必要です。
まとめ
- 保護者の応援の基本は「ラリー中は静かに、ポイント間に拍手」
- 応援席からの指示・ジェスチャーは、アドバイスと受け止められるので控える
- 相手のミスは喜ばず、好プレーには敵味方なく拍手を送る
- 日傘は黒色系、撮影は主催者の指示に従い、フラッシュは使わない
- 場所取り・通路の占拠をせず、ゴミは持ち帰る
- 試合後の第一声は「お疲れさま」。振り返りは本人のペースで
- 声出しの可否や撮影ルールは、大会要項やチームの連絡で事前に確認する
次の大会に行く前に、まずは大会要項の「応援」の欄を確認してみてください。決まりを知っておくだけで、当日は安心して子どもの試合に集中できます。

